∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 三の酉 ≡≡

──苦しい時の神頼み──
来年こそ
福をかっ込みたい

 今日は酉の市、通称お酉さまの日。11月の酉の日に開かれる「家内安全、社業隆盛、商売繁盛」を願う祭事である。なかでも三回目の酉の日「三の酉」のある年は、寒さ厳しく、火事の多い冬になると言われている。

 東京のお酉さまはいくつかの社寺で開催されるが、私はかれこれ40年近く毎年、浅草・千束の『鳳神社』と、路地を隔ててすぐ隣にある酉の寺『長國寺』にお参りしてきた。
 当初は夕方お参りしてどこかで夕食を摂ることが多かったが、今では参拝客がもっとも少ない早朝に訪れ、ゆっくり時間を掛けてお参りするようになっている。

 もちろん、今年も早朝6時過ぎにお参りし、鳳神社で授けられる熊手「かっこめ」も手に入れた。だが、お参りの内容は例年とは違っていた。

 今年の始め、ある人から「今年のあなたは浮き沈みが大きそうね」というご託宣を頂戴し、縁起でもないなと聞き流していたのだが、どうもその方のご託宣どおりの年になってしまったようだ。
 情けないことに、今では“沈む”どころか“海底に着床”してしまったような有様になっている。

 そんな現実が神頼みで解消できるとは思えないが“苦しい時の神頼み”という言葉もある。ひとつ今回は「今年一年のお礼と来年への希望」に加えて「現状の劇的な改善」もとお願いしてしまった。
 ちなみに、40年近くお参りして「かっこめ」の霊力は形だけと悟っているにも関わらず、それさえも信じてみようとしている。ちょっと大袈裟だが、まさに樋口一葉状態である。

「お参りとは自らの決意を神仏への願いとして念ずるもの。神仏はそんな願いを見つめ続け、自ら願を掛ける人の運勢を変えるものではない」というけれど、今年に限っては“神頼み”の霊力も信じてみようかと思っている。
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[season13┃28 NOV. 2022┃25:10 JST
『三の酉』‥今年のお酉さま最後の祭事。寒さ厳しく火事多し。
CHOCHIN:ohori-jinja, asakusa senzoku, taito city
Photographed on 28 NOV. 2022