∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

構成力、色彩、繊細さに圧倒された浮世絵との出会い

まだ10年経ってないと思うんだけど、広重の『名所江戸百景』というコレクションが復刻されたの知ってますか? 全部で118枚ある江戸風景なんだけど、これを見たとき「よし、この復刻版を集めるぞ」って決めたんだ。
江戸東京博物館で行われた広重展の記念復刻版だったので骨董的な価値はないけれど、版木も顔料もオリジナルを徹底的に研究して復刻、彫師も刷師も選び抜かれた人たち、という触れ込みだったんだけど、後から分かったことだけど、確かにそうだった。
実は、初めて浮世絵をじっくり見たのはボストン美術館だったのね。なんの基礎知識もなかったから、どうしてここにこんなに浮世絵があるのっていう疑問もあったけど、とにかく、その構成の迫力、色彩の素晴らしさ、表現の繊細さ、すべてに圧倒されたのね。それからは浮世絵に注目するようになってたのよ。
今は、北斎若冲写楽も、近いところでは川瀬巴水だって興味を持つ人が多くなっったので簡単に探すことができるようになったけど、20年くらい前は、かなり専門的な世界で、想像以上に縁遠い世界だったから、けっこういろいろ歩き回った記憶があるね。
で、結論だけ言うけど「浮世絵は世界で一番完成度の高い版画」だと確信してるんだ。デューラーでも、エッシャーでもない。リトグラフまで入れればロートレックでもない。とにかく最高峰としか言いと思ってるんだ。
今度、じっくりと話をさせてよ。写真やジャズと同じくらい深い話だから。