いったい、いつからだったんだろうね。たばこが健康に悪いって言われ始めたのは。僕がたばこを吸い始めた頃は誰も健康に悪いなんて言ってなかった。身体にいいとも言われてなかったけれど、少なくとも、ストレス発散や気持ちを落ち着かせる効果があるって言われてたはずだよね。映画でもヒーローがたばこに火を点けて「決めポーズ」を作るのが当たり前だった。たとえば、ハンフリー・ボガートなんてそうだよね。アッ、そうだ。確か東京の地下鉄のホームなんてたばこが吸えたんだよ。
それが、どうよ、今じゃ悪役そのもの。パッケージにはガンになりますって書いてあるし、禁煙レストランも増えてきたし。なんだかアメリカでは「死」という言葉をたばこのパッケージに表記するようになるんだって。どうも、たばこ好きには生きにくい時代になったね。
止めないのかって。難しいだろうな。はっきり言って「ニコチン中毒」だもの。平然と言うなだって。いいじゃない。寿命が短くなるってことを分かって吸ってるんだから。まあ、他人に迷惑かけるといけないから、分煙は守るけどね。
それにしても禁煙した人や初めから吸わない人って、どうしてあそこまでイヤそうな態度を取るのかなあ。なかにはたばこを吸わないことに優越感を感じてる人までいるもんな。
それこそ、ほっといてくれだよ。極端に嫌そうな態度って失礼だよ。それとも、吸わない人って偉いの？ イヤだなあってスーッと離れてくれる人だと「アッ、悪いことしたな」って思うんだけど、さも嫌うのが当然の権利みたいにふるまう人と会うと「そこまでいうアンタは誰？」って突っ張りたくなる時もあるよね。
それにしても、たばこを吸わないのにこうやって付き合ってくれてありがとう。できるだけガマンするからね。
