∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

初夢はいつ見るもの

初夢は一富士二鷹三茄子。江戸時代の初夢で見たいものの順番はこうだった。今でもこの言葉を使う人もいないわけではないが、さすがに今の状況とは相容れない。お茶の水の版画などを扱っている古書店に行くと、稀にこの絵柄の版画を目にすることがある。かなり大量に刷られたものらしく、多くの人が正月の縁起物として買ったようだ。いわば、庶民の正月のエンターテインメントのひとつだったと考えてもいいだろう。
では、何時見るものなのか。諸説あるらしいが、元旦の夜か、二日の夜どちらかであることに間違いはない。つまり、三が日であればどの夜に見てもいいわけだ。はっきり言ってかなりいい加減。さすが「正月のお楽しみ」である。それにしても、江戸時代の庶民は夢にまで楽しみを見出していたわけだ。さすがバイタリティに溢れた人たち、改めて感心してしまう。
ところで、僕は夢を見ることがほとんどない。あるいは覚えていないのかもしれない。とにかく、目を閉じたらすぐに爆睡してしまうため、よく分からないのだ。こういう人間にとって初夢はこうありたいなどという言葉は無用、富士山の夢を見るなんて想像もできない。ひょっとして眠りが浅ければいいのだろうか。
しかし、現実世界では「夢」がある。「夢が計画になり、計画が現実のものになっていく」という壮大なものだ。このタイプなら「夢追い人」の資格は充分にあると思っている。
そんな僕だが、ひとつだけ見てみたい夢がある。それは、大火事の中、龍が天に昇っていく夢。それまでの苦労がすべてリセットされる大願成就の夢らしい。すぐに爆睡してしまう僕でも見ることができるだろうか。
さあ、そろそろ寝よう。初夢は……、きっと爆睡だから無理だろうな。
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