∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

梅のつぼみ

冬真っ只中。街のあちこちで椿や山茶花サザンカ)の花が咲いている。まだ東京では雪が降っていないが、雪の中に咲く椿の花は白い世界の中の真っ赤なアクセントのように見える。まるでワビサビの世界へ続く道しるべのようだ。
俳句の世界では椿は春の季語とされている。季節そのものというよりも、初春といったところだろうと勝手に解釈している。
椿は今が盛りだが、梅の蕾が膨らんできたのも見逃せない。あと1ヶ月か2ヶ月すれば、梅の小さな花がたっぷりと咲き、春の到来を告げてくれるだろう。あの独特の甘い香りも早春を象徴するもののひとつだと僕は確信している。
香りは冬の花にはない大きな特徴。言い換えれば春は「香りとともにやってくる」といってもいいくらいだ。
江戸時代から太宰府天満宮と同様、梅の名所として知られている湯島天神は、学問の神様として受験生やその家族たちで賑わっている。今年は太鼓橋を架けたりして風情豊かな庭へ変身中だが、それでも、造作の横で静かに植わっている梅の枝に沢山のつぼみが付いているを見つけることができる。
寒さの中で、つぼみはまだまだ固く、春の到来をじっと待っているようだ。こちらも寒さに震えながらも「これも風情ある風景」などと思わず思ってしまった。冬の峠を越せば、もうすぐ春。つぼみも少しずつ大きくなりながら、ほころび始めるチャンスを伺っているのだろうか。まるで、自分に置き換えて考えてしまいそうだ。
厳しい自然環境のなかでも見事な花を咲かせる椿。春の訪れをじっと待ちながら、その時がきたら一斉にたくさんの花を咲かせる梅。季節の移り変わりを花で知るなんて、僕も年を取ったのだろうか。
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