∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

韓国料理

寒い。突き刺すような冷気、顔に当たった瞬間にシュッと消えていくぼたん雪。今晩は予想以上に寒かった。
こんな夜は暖かい鍋物に限る。それもカプサイシンたっぷりの韓国料理がいい。ほとんど韓国料理のことを知らない僕だが、近頃は定番の焼肉よりもチゲ鍋のほうに心が傾いてしまう。財布の具合いもあるのだが、食材のバランスや辛さの中の旨さに「料理らしさ」を感じてしまうのだ。もちろん、焼肉&チゲがベストだが、どちらかひとつと言われればチゲを選ぶだろう。
カルビ、豆腐、海鮮、ソーセージ、インスタントラーメン、そしていろいろなキムチ……。日本の鍋物と同じように数えきれないほど種類があり、極端に言うとそれぞれの家庭にそれぞれのチゲの味があるのだろうと想像している。
今日、食べたのは豚バラと豆腐がメインのチゲだった。付いてきたキムチをどっさりと鍋の中に入れて一層、ボリュームと辛さを強調しておき、ご飯を片手にハフハフ、ガツガツと食べてしまった。食べはじめて少し経つと汗が滲み出てくる。今日のような寒さを身体の中から吹き飛ばしてくれそうな勢いだ。もちろん辛いのだが、食材とコチジャンとキムチが創りだす複雑で奥深い味わいは、何物にも変えがたい一級の味覚だと思っている。
ちなみに、もうひとつ。カキとたこの組み合わせのチゲも捨てがたい。僕にとっては韓国料理の冬の二大巨塔である。
僕は、ある人に言わせると「食の浮気者」らしい。鍋で言うと、日本の鍋ものもポトフもシチューもボルシチも好き。どれも美味しい。でも、本当に寒い日はチゲがいい。とにかく身も心もあったまるところが最高だ。
鍋物は、いわば食のフリースタイル。僕の持論である。何を入れてもいい。どんなつけダレで食べてもいい。素人が作ってもほぼ失敗することがないほど調理方法は簡単なのに、これほど幅広く奥深い料理はあまりないだろう。
寒かったけれど、チゲのおかげで心もお腹も満足した。今夜も落ち着いて眠れそうだ。
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