∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ということで、ほのぼの日和

◇ここ一週間、津波地震のことで頭の中がいっぱいだった。
被災した人たちと比べると僕なんて、「少し揺れるし、少し電車にも乗りにくい。停電になるかどうかもちょっと心配」。この程度のダメージなのに、めげてしまいそうになっていた。
◇本郷経由で御茶ノ水に行くため、千駄木の団子坂(江戸川乱歩風に言うと『D坂』である)を自転車を押しながら登っていた時、なんだか不思議な店を見つけた。小さめの看板には『あめ細工 吉原』とある。ちょっと入ってみる。
今では、お祭りの縁日でもほとんど見かけなくなった「あめ細工」のお店だった。龍がいる。犬も猫もいる。この店のマスコットになっているらしい、うさぎがたくさん飾ってある。
水飴を白くなるまで指で捏ねてストロー状の竹の先に付け、空気を入れて膨らまし、ハサミひとつで様々な形に仕上げていく。あめ細工にこんなところで再会できるなんて思ってもみなかった。
◇ご店主に聞いたところ、昔ながらの「さらし飴」に香料を入れて、美味しくしたとのこと。よく見ると、形も昔風の干支ものよりも、犬や猫のようなペット系のほうが多いようだ。色も自然。昔のような原色のものはまったくない。
どうも店舗であめ細工を扱っているのは日本でここだけとのこと。ちょっとノスタルジックな雰囲気を出した「モダン下町風」な作りが心地良くて和んでしまいそうだ。
ホームページを見ると、いろいろな所に出張して、その場でリクエストをとり、数分で作ってくれるという「実演販売」もしてくれるらしい。ホームページ http://ame-yoshihara.com/ によると、なんとフランスでも実演をやったようだ。
これで500円程度から2,500円程度という価格も気に入った。プラスチックケースを使ったギフトパックもあるようなので、誰かに気のおけないプレゼントを渡す時に利用させてもらおう。バラの花を何色かの「あめ」で創り上げたものもいいかもしれない。
◇子供の頃、お祭りになるとあの手先のワザに見惚れていた僕。偶然出会った店で、なんだか素敵な気持ちにさせてもらった。
よく通る道なのに気がつかなかった小さくて愛すべき店。テレビや雑誌でも何度も紹介されている有名店らしいのだが、どうしてこれまで気がつかなかったのだろう。
久しぶりに「いい店」を見つけた今日、僕の気持ちは「ほのぼの日和」になった。
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