∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

鼻歌混じりで自転車を

◇疲れやストレスがピークを過ぎると鼻歌を歌っている自分に気がつくことがある。何を歌うかは決まっていない。浮かんできたきたメロディを、いい加減な調子でフフンフフンと口づさんでいるだけ。
もちろん、きちんとメロディを奏でるなんてことはできない。周りの人に相当迷惑を掛けているだろうな、と分かっていながらもフフンフフンが止まらなくなるのだ。
◇今日、浮かんできたのは『イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン』だった。1973年に公開されたモノクロ映画の主題歌である。この映画、監督はピーター・ボグダノヴィッチ。ライアン&テイタム・オニール親子が主演した。当時、テイタム・オニールは10歳。その年のアカデミー賞助演女優賞を最年少で受賞した。1935年のアメリカで詐欺師の男と、亡くなってしまったガールフレンドの娘が繰り広げるロードムービーである。
そのサウンドトラックで歌われた曲が今日、僕の心に浮かんできたメロディだった。それも、自分ではナット・キングコール風に口ずさんでいたと思っている。(このまま思わせておいてくれ)。
暖かいうえに、眩しいくらい明るかった午後の一刻、この歌をフフンフフンと口ずさみながら、自転車に乗っていた。気分は最高である。自分でも恥ずかしいくらいメチャクチャなメロディラインだと分かっているのに、「気持ちいいから、止められない」状態だった。
◇そして夜になり、帰宅してツイッター・チェックをしていると「スーパームーン」なる言葉が何人かの人たちが話題にしているではないか。ウィキペディアで調べてみると、今晩の月は通常より14%大きく、30%明るく見える特別な月らしい。それを読んで思わず表に出て確認してしまった。正直なところ、明るいのは分かったが、大きいかどうかは分からなかった。それよりも、クリアさのほうが気にかかった。
昼は紙のように薄い三日月をフフンフフン。夜は今年最大の満月にホー。なんだか、因縁めいた不思議な感覚にとらわれそうだ。
ちなみにペーパームーンは、細い三日月という意味と、段ボール紙に書かれた舞台用の書き割りという意味を持つダブル・ミーニングの言葉である。
◇今日、僕は何かに区切りを付けたかったのかもしれない。ザラザラの気持ちを一旦、少しの時間でもいいから、フラットにしたかったのかもしれない。
自分の深層心理を解析しようなんて気持ちはもうとうない。とにかく気持ちよかったのだから、それでいいじゃないか。
明日からも、辛いことや、悲しいことや、もどかしいことや、腹立たしいこと、いろいろ出てくるだろう。でも、すべて自分のこととして捉えながらも、明るくてゆるいスタンスでいこう。
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