∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

春分の日

地震から11日。原子力との闘いは未だ続いている。支援物資は届き始めているが、放射能関連の風評や輸送路の問題などが原因になって地域格差が出てきている。故郷を後にして遠方に避難する人たちも増えてきた。この3日間、計画停電は行われなかった。放射線を浴びた農作物や原乳が発見され、健康被害は考えられないとされながらも、出荷停止になってしまった。
そして、カダフィが徹底抗戦すると宣言したリビアではアメリカの空爆が続いている。
◇そんな2011年3月21日。今日は、二四節気の「春分」だ。春の彼岸の中日でもある日。僕の自宅からほど近い谷中あたりではお参りに来る人が絶えず、線香の香りがほのかに漂ってくる日でもある。もちろん春分の日として国民の休日になっていることはいうまでもない。
◇ところで、春分は「春」を「分ける」と書く。二四節気では「立春から立夏までが春」。その中間にあるのが春を分ける春分というわけだ。つまり、今日は春の折り返し点ということ。
そんなことはないだろう。今まで、寒くて「真冬」だったじゃないか。
と思ったのだが、この二四節気というもの自体、紀元前の中国で考案されたものを江戸時代に日本流にモディファイして採用されたもの。季節にスピリチュアルな意味を持たせることが常道だった時代、どんなに気温が寒くとも「折り返しは折り返し」でなけらばいけなかったのだと、自分を納得させた。
先祖の霊を敬う彼岸も、春分の日の前後7日間とされ、その真中の日、つまり今日が「お中日」になっている。確かに計算上はつじつまも合っている。どうも、二四節気という区切りには現代の感覚では理解出来ない「何か」が備わっているように思えてならない。
◇折り返しかどうかはともかくとして、春本番が目の前まで来ていることに間違いはない。僕としてはこれで高校野球が始まればすっかり春気分になる。
地震に集中してしまった11日間だが、季節は確実に進んでいる。世界の情勢だって大きく変わろうとしている。
世界経済も、日本の復興とリビアの内戦を大きな要因に非常に不安定な状況に直面することになった。
僕のマインドやスタンスも確実に変わったような気がしている。同じ「前向き」でも少しベクトルの方向が変わったと確信している。
この春、日本で生活する人すべての歩みが変わった。
「日本が復興に向け力強く立ち上がり、もっといい国になる」。
そんな節目に巡ってきた春分。何年か経って「そういえば…」と思い出される日になるように、今日だけは、昔の人のようにスピリチュアルな意味のある日だったことにしておこう。
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