∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

のど元過ぎれば……

◇今、日本で地震のことを話題にしない人はいないだろう。まだ12日しか経っていないのだから当然といえば当然だ。マス・メディアでも、これから数ヶ月は防災問題が大きなスペースを割くことだろう。
ところが、どこかの時点ででスーッと話題が消えていき、何かトピックがあるときだけ取り上げるようになる。同時に人々の関心も少しずつ変わっていく。
もちろん地震のことを忘れたわけではない。だが、もっと身近な問題に直面しなければならなくなり、世論が変わっていくわけだ。それでこそ健全性を保つことができる。
◇昔から、地震津波、台風、火山爆発などの自然災害は「忘れた頃にやってくる」と言われてきた。今回の地震もそうだろうか。
今は、「そんなわけはないだろう。ずっと被災した人たちを支援するし、日本はひとつにまとまってより良い国にしていくのだ」という声が圧倒的なはず。ところが、数年も経つと、こんな声が小さくなってしまう。
これまでの災害と同様に、「復興は支援から自助努力へ」とスローガンが変わる瞬間が現れる時がいつか来る。その時こそ本当の復興開始の時だということを知っているのは、実際に災害にあった地域を復興させるために努力を惜しまなかった人たちだけだと思う。
◇しかし、今回の地震を機に、災害復興や防災に関して取り組むネットワーク作りをして、体験も知恵もなにもかもを親から子へ、子から孫へと伝えていけるようにできないものだろうか。
いつのまにか、研究者やスペシャリストだけがノウハウを熟知し、一般市民、つまり一番被災する確率が高い人々には希薄で形式的なノウハウしか伝わらないなんてことが二度と起こらないようにしなければ。
◇今回のような大災害が教えてくれた対処法もそうだが、復興に掛かるコストを充分に見込んだ防災体制も含めての体制作りである。また、ツイッターが教えてくれた、市民レベルのネットワークと行政との関係を「連携」に変えていくノウハウの確立と知識の共有も重要なポイントになるだろう。
◇大災害や大事故、大事件の記憶を風化させてはいけない。継続して考え続け、広く共有していくことの重要性をもっと真剣に考えよう。
地震津波原子力という今回の大災害で、従来のような「のど元過ぎれば熱さ忘れる」式の対策やインフラ作り、知識の伝播などの限界を知った。
可能な限り災害被害を抑え、みんなが幸せに暮らせる環境作りを、あらゆる角度から見直し、考えていこう。
◇もうこれからは災害の一つひとつ、すべての出来事を忘れない。すべてを記憶し、対策に昇華させよう。
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