∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

サッカーファン・野球ファン

◇今晩、大阪の長居スタジアムで日本選抜vsJリーグ選抜の東日本大震災慈善試合が行われた。収益のすべてを義捐金にするゲームで結果は2−1で日本選抜の勝利に終わったが、神戸の地震で被災した岡崎のゴールや最年長の三浦和良のゴールなど後々語り継がれるだろう意義ある試合だった。
 もともとはニュージーランドとの国際親善試合だったものを、ニュージーランド地震の後、試合を辞退してきたために実現したゲームだったことも含め、どこまでも地震とのつながりを感じるゲームだった。被災地でもテレビで「パブリック・ビューイング」が行われたという。
◇先日、ようやくプロ野球セントラルリーグの開幕日が決まった。関東ではナイターも自粛することになった。
 当初、開幕日やナイター開催に関して例年通りのスケジュールを発表したものの、ファンやメディアだけでなく、政府からもクレームをつけられて上での「苦渋の決断」をした結果だった。
 ちなみに仙台がホームの楽天イーグルスが所属するパシフィックリーグは最初から開幕日をずらし、ナイターも自粛すると表明していた。
◇旧態依然とした大人の経済学を前面に出したセ・リーグの方針。来日延期というトラブルを慈善試合に変え、みんなで支援しようという純粋な気持ちを前面に押し出した日本のプロ・サッカー界。
 野球の「若者離れ」が叫ばれるようになって久しいが、近頃の動きを見ていると「なるほどそうだろう」と感じてしまう。
 プロスポーツのファンは、プレーだけを見ているわけではない。プレーヤーたちがどんな考え方をしているのかも注目している。ちなみに、大相撲だって同じような視線で見られているのは言うまでもない。
 プレーを通して支援しようと考える者と、それをバックアップする協会。それに対して、大人の経済学で押し通そうとしたら、内部からも外部からも否定されてしまったオーナー。世論がどちらに軍配を上げるか、最初から結果は見えている。
 今頃になってプロ野球も震災対応のスローガンを決めたようだが、正直なところ遅すぎる。もちろん、選手の生の声だって聞こえてこない。
◇僕は阪神ファンである。サッカーは国際試合以外は見ない。それもニュースでゴールシーンだけを見る程度。
 しかし、人や生きること、復興することなどに真摯で、地に足の付いた人間臭いサッカー選手たちを見ていると、その清々しさや純粋さだけでファンになってしまいそうだ。
◇震災と真正面から向き合っている若者たちと団体がいる。一方で、利益優先の団体とそれに従わざるを得ない若者たちがいる。野球とサッカーは日本を代表するプロスポーツの二大巨頭だと思っていた僕が甘かったのだろうか。
◇今晩、良くわかった。野球をつまらなくしたのは、自分たち優先してきた旧態依然の発想なのだ。 そろそろ、経済も世相も生活も、根本的に見直し、新たな時代を開拓する時が来たことを実感した慈善試合だった。
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