∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

都知事選挙の日

◇今日は統一地方選挙の日。東京都民の僕にとっては都知事選挙の日だった。とはいえ、実際は期日前投票を選んだので、投票所に行ったのは数日前だったが。
◇選挙と言えば、おなじみの選挙演説、選挙カー、連呼、ダルマ、報道ショーのようなテレビの特別番組。のはずだが、今回は一切なかった。心配になるほど静かな選挙戦。候補者の名前を小さな音で言いながら通り過ぎる選挙カー。テレビの報道は通常のニュースの延長だった。
 統一地方選挙といっても僕にとっては都知事選がメイン。いかに大阪が揺れているかよりも、次の都知事は誰かのほうが気にかかる。
◇今回の都知事選は、都民にとって重要な転換点を迎えるはずだった。現職の知事が不出馬を表明した後、話題の人たちが出馬を表明。そこへ地震。現職が今度は出馬表明。正直なところ、こんな大胆な「後出しじゃんけん」もあるのだと初めて知った。
 地震と現職の再出馬。事実上、この時点で風向きは一変していた。しかも、都民の関心は地震一色。今回の選挙ほど、選挙民の関心が薄い選挙はこれまでになかったのではと考えてしまう。投票率が結果的に前回よりも3〜4%低かったという報道を聞いた時、「アレッ、その程度で済んだのか」と思ったくらいだ。
◇これでいいのだろうか。これから4年経った時、あの時、もっと突っ込んだ政策論争を聞ければ良かったのではとか、新人に代わっていれば東京はもっと変わったのではとか思うことがないだろうか。
◇僕たちは変革の時の行政を大ベテランに委ねた。彼ならきっと、大胆な変革に取り組んでくれるだろう。確かに時々、ずば抜けた失敗政策を押しつけてくることもあった。
 しかし、鋭く力強い政治手腕や、有能なブレーンには定評のある人だ。今のような「危機管理新時代」に相応しい大胆な改革を提案、着手してくれるはずだ、と期待しよう。
◇ただひとつこれだけは言っておきたい。これまでのように政策に異論を呈することはあっても了承するという時代は終わった。
 「大局の変化は弱者を直撃する」そして「すでに誰もが横一線で連携できる新たな手段が確立された」。
 今回の地震はすべてを変えた。庶民感覚に根付いた思想や志向は確実に一歩前進している。政治や行政、超大企業に対する視線はこれまでにないほど鋭くなっている。少なくとも僕はその視線で都政を見守っていく。
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