∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ひらめきの時

【電球マークに光が灯る】


 どうしても思い出せなくて……。確かにアメリカン・コミックの世界なのだが、キャラクターの名前も思い出せない。苦しい。
 今日はそんな話じゃないので、思い出すのは寝ながらにして……。
 コミック的な悪だくみを閃いた時に頭の上に白熱電球が登場し、ピカピカと輝きだす。その直後、彼は行動に移る。そしてターゲットに近づき、アクションを起こすが上手くいかない。確かこんなプロットだったと思うのだが、それも思い出せない。
 つまり、思い出したのは電球が光るところだけ。まあ、これでいいとしよう。
 とにかく、今日、僕の頭の上には白熱電球が輝いた。そう、思いたい。たぶん、そうだ。きっと、そうだ。


【たった10分間の出会い】


 はじめて行った街で、知らなかった店に入り、知らなかった人と出会い、急に話が盛り上がる。
 こんな出会いや盛り上がりは十中八九、その場限りになるのが定石。それは分かっているのだが、今日、僕が出会った人物との話は少し趣きが違うような気がする。いわば、第六感とでも言えばいいのか。その人物にも話にもピンとくるものがあったのだ。
 話している途中から、こんな引き込まれ方もあるんだな、と妙に感心しながらも、この話、勝手に膨らませていただきましょうと決めてしまった。
 いつもスロースターター過ぎると言われている僕としては、何時になく急な展開。自分でもびっくりだったのだが……。
 ところが、そのお相手というと、話している最中に電話が掛ってきてそちらの話に夢中になってしまった。目と手で長引きそうと合図を送ってくれたので、これでは止むを得んと名刺だけを置いて失礼した。


【これでいい】


 偶然の出会いなんてこんなもんだろう。楽しい時間が過ごせてよかったなんて「ノンキオヤジ的気分転換」をしながら、その場を失礼したのだが。


 歩いている途中で、あの「ピカピカ光る白熱電球」が出てきた。
 あっ、そうか。さっきの話はこうやれば上手くいく。


 この瞬間、単なる出会いがビジネスの種になった。きちんとまとめてもう一度会いに行こう。ほかのことを後回しにすることは出来ないけれど、それでも出来るだけ早くまとめてみよう。
 あの人物が話にのれるかどうか、それはその時次第。出来る限り準備をしよう。久しぶりに力が湧いてきたような感じがする。
 ほかの仕事で立ち寄った街で、まったく違った出会いを経験した今日。新たなスタートが切れるかどうかは僕次第。よし、やってみよう。99.99%失敗すると分かっていても、この刺激には敵わない。
 何か、面白いことが起こりそうだ。


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