∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

帰省シーズン

【夏休み】


 大震災があった今年、例年通りの「お盆休みを一斉に取る習慣」が影を潜めているような感がありますが、そうはいっても、やはりこの時期に夏休みを取って故郷に帰省する方も多いことでしょう。
 今日もそんな方にお会いしました。「今日の午後から帰省します」と言われると、「ああ、そういう時期だな」と思ってしまいます。なにしろ、僕には帰省する予定がまったくないし、「お盆休み」という感覚もはるか昔に無くしてしまっていますから。
 そんな僕のような少数派はともかくとして、いつもは遠く離れた所に住む家族や友人と出会えることってとても素敵なこと。「懐かしき人と目を合わせ、懐かしき言葉で語り合う」。これほど自己確認できる絶好のチャンスはないといってもいかも。
 どちらに帰省するにしろ、存分に楽しみリフレッシュしてください。


【墓参り】


 僕は、今年の夏も、生まれ故郷の神戸にある、父と母が眠る墓にお参りに行けそうにありません。 一抹の寂しさを感じますが、それでも心の中には、墓で掃除をし、花を飾り、線香を供えている僕がいます。
 神戸港を見下ろす六甲山系のなかのひとつの山の中腹に広がる墓地。その入口にあるお花屋さんで仏花を買ってから山を登ります。途中で休憩を取り、息を整えて登っていくとようやく父と母が眠る墓が見えてきます。
 途中には神戸では知らない人はいないというお宅のお墓もいくつか。正直なところ「人間、亡くなれば同じ墓地に並ぶことになる」と思ってしまうこともあります。
 墓に着くとまず神戸港を見渡します。僕はこの街がもつ独特の空気感の中で育った、そんなことを思い出す瞬間です。
 そんな時を過ごしてから、ようやく墓の掃除に取りかかります。
 どこかでセミの声が聞こえてきたり、トンボがスーと飛んでいったり。あまり「自然」を感じることのない神戸ですが、ここまで来れば「自然」は目の前に広がっています。
 花を飾り、線香に火を付け、お参りをして……。今度は墓の前に座って、もう一度神戸港を見下ろします。今度は四国や岸和田が見えないかと目を凝らします。さすがに遠すぎて見えないのは分かっているのですが、何故かいつも見てしまいます。
 そうやってぼんやりとした時間を過ごしてから墓を離れ、下山。どちらかというと山登りと港観察に費やした時間のほうがずっと長いのですが、それでもきっと父と母は満足してくれただろうと自己満足に浸りながら急な坂道を下って行き、現実の神戸の街へ「いざ出陣」です。


【今年こそ、来年こそ】


 大震災があり、家族のきずなの大切さを再認識した今年。久しぶりに里帰りするという方だって多いことでしょう。こんな年だからこその「素晴らしい夏休み」が待っているはず。
 今年は行けない僕も、父と母と一緒に神戸港を見るため、来年こそ墓参りに行きます。


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