∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

懐かしき恩人

【ある駅で】


 昨日、僕にとっては遠出に近い小田急沿線のある駅まで出かけました。そこでふと「確かこの駅の近くに以前僕が働いていた会社の社長が住んでいたはず」と思い浮かびました。現役を退かれていることは知っていましたが、きっと今も影響力はあるんだろうななどと考えながらも、その後、目先の仕事に没頭してしまい、すっかり忘れてしまいました。
 

 実はこの方には公私ともにお世話になりました。
 仕事上では、不出来な僕を前にして、笑いながら「辞めてもらってもいいんだよ」というのが口癖でした。でも、この言葉、ドキッとしたのは最初だけで、二度目からは叱咤激励の言葉として受け止めていました。
 もう内容は忘れてしまいましたが、多くの人たちの前で何かを説明していた時に「インパクトがないな」と一蹴され、悔しくて情けなくて腹が立ってしようがなかったこともありました。それでも、最終的にはこちらの考えを斟酌してもらったのでしょう。それなりの成果を上げたように調整していただきました。
 家庭内の問題にも話に乗っていただきました。今、思うと、個人的な問題となると幾分「下町のオヤジ風オセッカイ癖」が顔を出すというところもあったのでしょう。


【その前日】


 今日、友人から一報を貰ったのですが、その社長が亡くなってしまったのです。僕なりの遠出をして、ふとその方のことを駅で思い出した前日です。
 駅で感じたことに何か因縁めいた奥深いものを感じて仕方がありません。
 メールの件名を見た途端ビックリしたのですが、軽い現実逃避でしょうか、本文は読みたくなと思ってしまいました。そっと本文を開き、現実を知り、これまでのことが早回しで頭の中を駆け巡り。正気に戻るまで少し時間が必要でした。
 ご葬儀の予定などを読んでみると、いつの間にかご住所などは変わっていたようです。
 ご葬儀のスケジュールを確認してからスケジュール調整。今は、どうしても最後のお別れだけはさせてもらわなければの気持ちでいっぱいです。おそらく、当時の同僚や先輩、後輩も多く出席するでしょう。多くの「顔」でお送りし、お祈りできることを確信しています。
 

 ひとつの時代が終わりを告げました。そして残った人間には、その時代を尊重しながら次の時代を模索する責任が課されたようにも感じます。


 どうぞ、安らかにご永眠を。ご冥福をお祈りいたします。


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