∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

注目の地中海沿岸

【混乱の地】


 〈@リビア〉アフリカ北岸、地中海に面したリビアでは、あのカダフィ大佐が爆撃で負傷した後、リンチに近い形で銃殺されたという血生臭いニュースが飛び込んできました。
 彼が死んだことで、制約がなくなったということでしょうか。世界でも有数の石油産出国らしく、すでに各国の利権争いが始まっているとのこと、なんともシビアな世界です。国が民主化されるかどうかということよりも、自国への石油供給量が増えるほうに関心が集まっているということをリビア国民はどう思っているのかが気になるところです。


 〈@ギリシャ〉国民の大半が公務員というギリシャでは、債務不履行という経済破綻を目の前にして、EUからの支援を受ける条件に反対する公務員によるストライキが泥沼化しています。
 国が壊滅しようとしている時に「国の従業員」が不満を爆発させているわけです。理解できないではありませんが、この国では「モノには限度がある。明日のための今日の我慢」という論理が通用しないのでしょうか。
 今の状況を見ていて、王政化のギリシャでの民衆の怒りを描いた『Z(ゼット)』という映画を思い出してしまいました。確か、イブ・モンタンが主演だったと記憶しています。とは言っても、覚えているのは完全防御の警官が横一列に並び、鎮圧用のゴム製警棒で民衆を蹴散らしていくシーンだけですが。


 〈@トルコ〉クルド人武装勢力が、トルコからの独立を勝ち取るべくイラクと国境を接する地域で攻撃を繰り広げているというニュースも飛び込んできました。
 独自の文化と言葉を持ちながら、1923年以降、居住地域をトルコ、イラク、イラン各国に分断された時に始まる独立問題が顕在化してきたということだと理解しています。
 アラブ諸国民主化もそうですが、近代のナショナリズムを直接、あるいは遠因とする問題は未だにくすぶったまま、という事実を如実に示している攻撃です。これが大規模な紛争に発展して、代理戦争に拡大しないことを願うばかりです。


【地中海が熱い】


 こうやってリストアップしてみると、今年の初めから「地中海沿岸」がきな臭くホットなエリアになってしまったようです。
 地中海と言うと、高級リゾートというイメージが強かった僕にとっては意外な展開。考えてみれば、数千年前から「落ち着かないエリア」だったはず。憧れのリゾートなんて現代のことですね。
 と言っても、少しでも早く落ち着きを取り戻してもらいたいもの。たまには地球上に「紛争のない静かな時」があってもいいと思うのですが。


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