∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

のんびり過ごす晩秋の一日

【おぼろ月夜】


 暖かい一日でした。谷根千でユルユルと時間を過ごして帰宅。久しぶりにお気に入りのスタイルです。そして、夜になってフラッと出掛けました。
 で、そこで出会ったのが「おぼろ月」。夜も早いせいか、まだ天の中空にいる満月に淡い雲が掛かり、月が雲の向こうに微かに見えるという、なんとも風流な月景色。本来は春の季語ではあるものの、まさに晩秋の自然がその場の思いつきでプレゼントしてくれた夜景のように感じてしまいました。
 『剣客商売』の秋山小兵衛には闇夜が、眠狂四郎には冬の満月が似合います。おぼろ月夜が似合う時代小説って……。どうも思いつきません。源氏物語に登場する、奔放な気性の女性「有明の君」くらいしか出てきません。まだまだ、読書量が足りないわいと思いながらも忍ヶ丘の片隅で見惚れてしまいました。


【ところで今川焼


 先日、町屋界隈を自転車でうろうろしていて、小さな今川焼のお店に気がつきました。都電の町屋踏切そばお店。今では都市再開発で出来た「センター町屋」という大きなビルの一階に収まっていますが、おそらく以前は小さな小さな今川焼屋だったんだろうな、と簡単に想像できます。店名は「博多屋」さんというようですが、のれんに「今川焼」としか記されていないところも昔流で素敵です。
 何かピンときたものがあったのでしょう。こうやって時代は進んでいくのかな、なんてぼんやりと考えながらも今川焼を買ってみました。
 形は、よくある直径5〜6センチ、厚さ3〜4センチ。種類を聞くと「つぶあん」しかないとのこと。クリームや抹茶あん、こしあんなども期待していたのですが、ないのならそれもよし、と半ばあきらめつつ買ってみました。
 で、帰宅してひと口。パクッと食べてびっくりしてしまいました。皮は限界まで薄く伸ばした1.5ミリ程度。「あん」はこれでもかというくらいビッシリ。あずきの味や香りを損なわない程度のほど良い甘み。その瞬間、持った時の重みの意味が分かりました。これだけ中身がぎっしりなら思いはずです。
 気に入りました。また買いに行きます。この味でこのボリュームで120円という「まじめな値段」にも納得。いや、頭が下がりました。


 今日は素敵な一日で終わりましょう。TPPのこともジャイアンツのことも、金融危機のことも「本日休業」です。


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