∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ララバイ オブ バードランド

【ジャズ・ミュージシャンの夢】


 近頃、ラジオを聴いていると僕の大好きなジャズナンバーのひとつがよく掛かるようになりました。タイトルは『Lullaby of birdland(ララバイ オブ バードランド)』。歌っているのはJuJuというお名前とのこと。お恥ずかしい事ながら、初めてお聞きする方でしたが、とっても素敵な歌声で、始めて聞いた時には、数年ぶりに、ボリュームを上げてしまいました。しかも、テレビドラマの主題歌とのこと。テレビドラマをいかに見ていないかまで分かってしまいました。
 そもそもこの曲はニューヨークのジャズクラブ「バードランド」でエンディングに流す曲として1968年にジョージ・シアリングが作曲したもの。
Lullaby of birdland whisper low Kiss me sweet, and we'll go 
Flying high in birdland,high in the sky up above All because we're in love 
と「ジャズこそバードランド流の子守唄」というところを恋歌として仕立てられた詩とともに多くのミュージシャンがバードランド出演時のエンディングに選んだ曲です。
 つまり「いい曲は多くのミュージシャンにカバーされる」というジャズの法則通り、数多くのジャズメンにカバーされてきた曲ということ。なかでもサラ・ヴォーンエラ・フィッツジェラルドの歌ったものが有名では。日本では中本マリもカバーしていたはずです。
 ちなみに僕はさら・ヴォーンのものが好きでした。なぜ過去形なのか。今回聞いたジュジュのものが一番と思ったから。つまり「心変わり」したわけです。ひょっとすると彼女の声が今の時代に合っているのかもしれません。
 サラ・ヴォーンのあくまでも甘い歌声。エラ・フィッツジェラルドの少し押し出しの強い歌声。中本マリの透明感のある歌声。それぞれ素敵過ぎるほどですが、ジュジュの歌声は甘さのある透明感とでも言えばいいのか、甘えながらも自立している女性の恋心が歌声に乗り移ったように感じています。
 

 多くのミュージシャンにとってこの曲を「バードランド」で歌い、メンバーを紹介することは世界最高峰のジャズクラブのステージに立ち、ジャズシンガーとして世界的に認められたという証明。つまり「夢が実現」したことを表すわけです。
 ジャズ・ミュージシャンにとってこの曲は、そんな子守唄を聴きながら本当の「夢の世界」に入っていってしまう僕などが想像もできないほど崇高な曲なのかなと思うことも。
 こんな曲が「証明」なる世界って素敵です。


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