∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

今年最後の忘年会

【古くからの友人】


 今晩、今年最後の忘年会がありました。古くからの仕事を通して知り合った友人のお宅で奥様と3人だけの忘年会。どちらもクリスマスとはご縁のない身ということで「がっつり食べる忘年会」ということになりました。
 実は彼、数年前に脳溢血で倒れた後、回復したものの見当識の欠如や情緒不安定、コミュニケーション能力欠如、徘徊という脳障害に陥りました。幸いなことに麻痺が残らなかったので一見すると健康そうな普通のオヤジですが、回復期に入った後2〜3年は薬の服用や医師との面談が続きました。
 ところが、今では奥様の介護や医師への説得が功を奏したのでしょう。多少、見当識やコミュニケーションに問題はあるものの、すっかり落ち着き、薬も最低限というところまで回復しています。つまり「方向オンチ」と「言いたいこと優先」そして「飽きっぽい」という、いわばオヤジにありがちな“性格”が残っているだけのところまで回復したと僕も奥様も確信しています。
 ただ、長年続けてきた音楽プロデューサーという仕事に復帰するにはまだまだ時間が掛かりそうだと奥様は心配なさっていますが、僕はいつかは復帰するのだろうと楽観的にみています。


【パエリアの夕べ】


 料理自慢の奥様が腕を奮ってくださいました。プルーンをベーコンで巻いたスペイン風のピンチョスに始まり、いくつも料理が振る舞われた最後にはシーフードとチキンをふんだんに使ったパエリアが出てくるというどちらかというとスパニッシュテイストのコースでした。
 ちなみにパエリアは生米から調理する本格的なもの。貝、エビ、チキンなどのエキスがチキンベースのスープと混ざり合い、ご飯の中に染み込んでいる、とても豊かな味わいのもの。久しぶりに「食を堪能」できました。
 僕と彼はひたすら食べるばかり、おなかいっぱいです。こんな時、彼は意思表示に問題が残っていたり、ボキャブラリーが減っていたりするため、多少言葉を繰り返してしまう所はあるものの、慣れてしまえば「こんな性格の人」程度に戻ります。つまり「大食漢のオヤジ」です。


 美味しい食事とスタンダードナンバー中心のジャズ、そして楽しい会話。二人と僕、どちらにも幸福な来年が来るように心の中で願いながらの素敵な夜になりました。ちょっと気が早いようにも思えますが、来年はいっそう回復した彼らと忘年会が過ごすことを楽しみにしています。


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