∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

諦めかけた男と、諦めない男

【再度、時間との付き合い方】


 時間に追いまわされているような気持ちで毎日を過ごしています。そんな中のポカッと開いた週末。反省の意味も込め、自分の立ち位置について落ち着いて考えてみました。
 収入のために時間を切り売りする。ビジョンを失って目先のことしか意識できない。前進する意欲が萎えて自坊自虐になる。
 時間に追いまわされる生活の中でこんな状態になると最悪です。頭の中が大混乱に陥ってしまい、まだきちんと整理がついていませんが、結局「その時がどうであろうと、自分を失わずに生きること」に尽きるなと仮の結論を出してしまいました。つまり、いつも通り。現状に満足することなく、ほかの人から見れば夢のようなビジョンを持ち続け、いつか実現さようという、いわば「信念」のようなものと言ってもいいかもしれません。


 こんなことを考え始めたのは、僕の友人の中に現状からの脱却を半ばあきらめた人間が出てきたからです。先日、その人間となにげなくコーヒーブレイクをしていたところ、彼は「もういい。諦めた」と言い始めました。「オイオイ、何言ってんだ」とちょっと驚きながらも、本心ではないことを信じて話を続けたところ、どうも本心らしいのです。何があったのか、詳しくは教えてもらえませんが、これといった出来事ではなく、これまでの積み重ねが原因のようです。きっと彼も努力を重ねてきたのでしょう。しかし、そんな努力がいつになっても日の目をみない。もがいてばかりで何の成果も残せないと思い込んでしまったようです。
 僕から見れば、そんなことはない。これまでもいい仕事をしてきたじゃないかと思うのですが、彼はそう思い込んでしまったのでしょう。直感的に「これは重症だな」などと思ったものの、どう話を続けていいものやら分からなくなりました。
 寝る時間も惜しんで仕事に取り組んできたのに、どうにも上手くいかない。次の一手も見えなくなってしまった。そんな話を続けているうちに「これは時間を掛けてリハビリしないといかんな。きっと彼なら復活する」そんな復活への手掛かりのような話を引き出すまで辿り着き、その日は分かれました。


 それからです。自分はどうだろうと考え始めたのは。元来、お気楽に生きている僕の場合、あまり深く考えたこともないし、ましてや「諦める」なんて想像もできません。逆に、もう少し考えればと思うくらいです。ところが、目の前で人生に悩み、意欲を失おうとした人間を見ると、さすがの僕でも考え込んでしまったわけです。
 これからも彼とは長い付き合いが続くことでしょう。そしていつの日か彼が自信を取り戻し、もう一度仕事も私生活も「没頭」する日が来るのを楽しみにします。おそらく、彼も僕のことをそういった感覚で見つめているでしょうから。


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