∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

年金運営

社会保険庁


 「AIJ事件の裏に社会保険庁OBがいた!」。週刊誌の見出し風にいうとこうなるでしょうか。
 企業や業界団体単位の年金基金用として預かった2000億円のうち現時点で残っているのは200億円だけという「あっけにとられるほどの大失敗」を引き起こしたAIJ投資顧問。この会社の運営方針が明らかに間違っていたことは言うまでもないことですが、それ以外にも「あっけにとられる」ような事実が浮かび上がってきたようです。


 各企業年金基金に旧社会保険庁から23名の官僚が天下り、ほとんど基金運営のノウハウを持たない年金基金団体で運営を任されていたと報道されています。
 各団体が運営を開始し始めた時、周囲には年金や資金運用に関するノウハウを持ったスタッフがいなかったため、その方法を知っている人に任せようという発想だったのでしょう。しかし、少し考えれば、まったく効果のない選択肢だということが分かったはずです。
 旧社会保険庁のOBと言えば、現在の年金制度を崩壊に導いた集団。そんな人たちに資金運用、それも高利率の運用なんて出来るわけがないのです。出来ていれば今のような「明日のない年金制度」にはなっていないはず。それも後進国国債並みの利率を約束した運営なんて……。
 そんな人たちが天下りしていた年金基金団体。確か94団体がAIJと契約していたという報道があったと思いますが、各団体に一名ずつ天下りがいたとすれば23団体(全体の24%)に天下りがいたことになります。理論上というか机上の空論的な計算や、目先の実績に明け暮れていた社会保険庁のOBが仕切っている団体に受給者目線の運営を望むなんて所詮無理な事のはずなのに、大言壮語なAIJのセールスを鵜呑みにしたのか、あるいはOB間のシガラミなのか定かではありませんが、あまりにもずさんです。


 こうなると、AIJだけではなく、ここを選んだ契約団体にも非があると言わざるを得ません。そして旧社会保険庁のOB。彼らは政府管掌の年金に引き続き、企業の年金基金まで崩壊させた元凶と言わざるを得ません。つまり、名もない市民が老後の安心のために加入していた年金基金なのに、気がつくと年金どころか元本までも無くなってしまったわけです。ずさんな運営が生んだ情けない結果です。


 とにかく社会保険庁OBにすべての年金事業から手を引いてもらうことで年金制度は復活への道を歩めるかもしれないと感じているのは僕だけでしょうか。


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