∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

この一年の東京の被ばく量推計を知って

放射能測定】


 東京大学を中心とする研究チームが、この一年間に浴びたであろう都民の被ばく量を推計したというニュースが気になってしかたありません。
 乳児、幼児、成人と分けてそれぞれの被ばく線量を推測したものということですが、それぞれ年間被ばく許容量の1/20以下で通常の食物に含まれる放射性物質による自然被ばくよりも少ないとのこと。要するに「問題なし」と言いたいところを、そこは学者の発表、たとえ推計であってもデータだけで比較したに留まっています。
 一般市民はこの数字だけを受けて「まだ数10マイクロシーベルトもあるじゃないか」と考える人と、「そうか、安全か」と安心する人に分かれるでしょう。この結果を聞いて「ゼロベクレルでないと……」というこれまでにも被ばくしていた自然被ばくまで否定する方だって存在するくらいですから。
 そんな「食の安全」についての賛否両論はあってしかるべきだと思うのですが、僕はそれ以上に「発がん率で換算すると、受動喫煙を含むたばこによる発症率のほうが20倍高い」という報告のほうが気になるのです。なにしろ、今では邪魔者扱いの「愛煙家」ですから。


 タバコ葉の産地でもある福島からの出荷が停止して約一年。当初は品切れ商品も多くあったと記憶しています。当時、愛煙家仲間で「タバコでも放射能でも同じ。どちらにせよガンになる確率は高いんだから」と皮肉まじりに語り合ったことを思い出してしまいました。
 もちろん、今も吸っています。紙巻きもパイプも、ニコチン量が高いものも低いものも、タバコと名のつくものならなんでも来いの状態です。コーヒーショップでもレストランでも区役所でも、喫煙スペースのない所はありません。つまり、吸わない人に迷惑を掛けずに吸えるわけです。そんなわけで「受動喫煙なんのその」と堂々と安心してスパスパ出来るわけです。
 ですが、放射能被ばくより20倍もガン発症率が高いと改めて言われてしまうと、「だからどうなんだ」と言いたくなってしまうのです。これまでも「身体を張って吸っている」と思っていましたが、今回の推計で妙にすっきりしてしまいました。


 僕は「タバコってそんなに身体に悪いの?」と言いながらずっと吸い続けます。「ゼロベクレル…」とおっしゃりたい方はどうぞ続けてください。タバコ好きの僕は東京の放射能被ばくより20倍もガンの発症率が高いのを承知で楽しませてもらいます。


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