∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

株式の効用、ふたつのケース

【アップル】


 ナスダックに上場している、あのアップルが17年ぶりに配当を復活させるというニュースを目にしました。「とうとうその時がきたか、それにしても遅かったな。まあ、今や関係ないわ」と独り言をつぶやいてしまいました。
 今では佳き想い出となってしまったことですが、米国株中心に売り買いを繰り返していた僕は、ウインドウズ陣営との戦いで苦戦を強いられていた頃のアップル株を買うかどうか悩んだことがありました。結局、買いませんでした。その時は、大きく飛躍するような将来性が感じられないと思ったのです。
 ところが、それから数年後、アップルは「大バケ」しはじめます。iphoneが登場して、すべてが変わってしまったのです。まさに倍々ゲームで株価が上がっていきました。「アー、買っておけばよかった」と思っても後の祭り。とても手が出るような金額ではなくなってしまったのです。ちなみに今や1株600ドル以上と信じられない価格をつけています。
 そのアップルが、ナスダック銘柄では数少ない株式配当を17年ぶりに復活させるというのです。しかも、大量の自社株買いも行うとか。今期の配当は一株あたり2ドル36セント。これに自社株買いが始まれば、一株あたりの予想利益も増えること間違いなしです。つまり2ドル前半だった配当が3ドル、4ドルと増えていくわけです。
 スティーブ・ジョブス氏の「内部留保を活用した最高の製品開発」という思想が浸透していたためにこれまで配当は行われなかったということですが、さすがに内部留保が8兆円もあれば、配当や自社株買いで株式利益の濃密化を図って当然だと思います。
 そして、これでまた価格は上昇するわけです。人気は高まるし、自社株買いで市場に出回る株数が減少して希少価値が高まるわけですから。
 とにかく右肩上がりになればどこまでも右肩上がり。僕にとって、今や遠い世界の話ではあるものの、ちょっと複雑な気分です。


大阪市


 関西電力筆頭株主である大阪市が神戸市や京都市と連携して関西電力脱原発を株主提案するというニュースも飛び込んできました。恥ずかしながら、三市合わせると13%以上の株式を保有しているなんてことも知りませんでした。
 確かに株主は株式会社の持ち主。しかも筆頭株主となれば強い発言力を持っていて当然でしょう。その筆頭株主の首長の決定です。「さすが、橋下市長。やることが劇的、エポックメイキングだわ」と感じてしまいました。原発ありきの経営計画を続けてきた電力会社が今回の発表をどこまで真摯に受け止められるか興味津津の状況になってきました。
 しかも、この手法なら東京電力と東京都の関係にも影響を与えるはず。結果的に、電力会社の自然エネルギー採用へのスピードが速まること確実です。
 日本の電力会社はカルテル状態にある日本の電力会社各社のこと。会社が違っても一蓮托生です。電気料金値上げ拒否や更なる節電で値上げ分圧縮など利用者レベルの圧力と、脱原発を提案する大株主連合からの圧力。値上げ不可、原発不可という世論の中で電力会社各社がどう対応するつもりでしょう。


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