∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

名前の重み

泉佐野市】


 関西新空港周辺の整備などが原因で財政破綻寸前、すでに早期健全化団体に指定されている大阪府泉佐野市が市の名称・愛称などを広告料を取って売り出す計画を発表したというニュースを耳にしました。公共施設を広告媒体にして広告料を取る、いわゆるネーミングライツといわれる手法です。しかも市の職員の制服に企業広告を入れる計画まであるとか。
 確かに夕張市のように財政破綻団体に指定されては大ごと。この際、なりふり構っていられないということだとは思いますが……。「市の名前、売ります」というのはやはり「イカン」でしょう。冗談でも言ってはいけないことだと思います。
 「味の素スタジアム」や「C.C.レモンホール」などスポーツやエンターテイメントなど人が集まる施設がネーミングライツで名称変更するのと、市の名前を売っぱらうのとは意味が違いすぎます。例え、破綻寸前という危機感を劇的に知らしめることが目的で実際は売る気はないとしても、これだけは言ってはいけないことではないでしょうか。
 自分の住む街の名前が「グリコ市」とか「吉本市」になっていいのでしょうか。市民の皆さんはどうお考えなんでしょう。抵抗はないのでしょうか。ニュースで「パナソニック市にある関西新空港」なんてコメントが出てきて混乱は起きないのでしょうか。それとも「キツイ冗談やなあ」と「お笑い」同様に笑って済ませるのでしょうか。


 自分が生まれ育った故郷の名前ってそんなに軽いものなのでしょうか。


 大震災で大ダメージを受けた東北の市や町が「復興してできるだけ早く生まれ育った街に戻って住みたい。」と切実に願っている時に、市の名前のネーミングライツはないでしょう。
 たとえば「香川県はうどん県に改名しました」というキャッチフレーズで県をPRし新たな観光客や企業を誘致しようというアイデアや、京都市のように「職員の制服を着物」にして着物活性化に役立てようという行政PRとは雲泥の差。なんと情けない発想なんだろうと呆気に取られてしまいました。
 今からでも遅くはありません。まずは発表を撤回して、まともな形の歳入増加策を探すべきです。


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