∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

新型車両登場

東京メトロ銀座線】


 銀座線に新型車両が走り始めたとニュースでピックアックしていました。
 十数年前までは毎日この線を利用していたのですが、ここ半年は引っ越しや仕事先の変化などであまり利用しなくなっていました。そこへこの話題。銀座線のホームで新型車両の告知ポスターは見ていましたが、とうとう走りだしました。早い時期に乗りに行かねばと野次馬オヤジになりつつあるところです。


 僕が始めて銀座線に乗ったのは約40年ほど前。渋谷、表参道、青山、赤坂、銀座、日本橋三越前、神田、上野、浅草。東京のお買いものエリアのうち、新宿、池袋以外はほとんど網羅している電車ということで、少しおしゃれな路線だと思って利用していました。
 ところが、浅草のひとつ手前の田原町に引っ越して以来、毎日利用するようになると、この日本で最古の地下鉄路線がなんとも庶民的な路線であることが分かってきたのです。


 当時、浅草行きの電車に乗った場合、銀座線は上野を過ぎるとガラッと印象が変わりました。たとえばハイヒール姿のお嬢さんがいそいそとサンダルに履き替えるとか、鞄から缶ビールを取りだして飲み始めるオヤジがいたり。完全に「地元電車」に変貌していたのです。
 しかも、駅に着く直前には必ず社内照明が一瞬消え、非常灯に切り替わっていました。だからホームに入線するタイミングがすぐ分かるわけです。つまり「社内が暗くなれば駅に着く」わけです。


 ちなみに、今もそうなのですが、稲荷町に到着する直前「この電車の浅草での出口は○側になります」という知っている人しか分からない意味不明なアナウンスがあります。
 終点の浅草駅には左右ふたつのホームが別々にあります。そして、東武鉄道への乗り換え通路は右ホームの最後尾。その結果、左ホームに着いた時は先頭車両まで行ってグルッとUターン、今度は最後尾まで歩かないと乗り換え通路まで辿り着かないわけです。ということで、東武鉄道を利用する人は「左側のドアが開く」というアナウンスがあった場合は稲荷町か、田原町で右側ドアが開く後続電車に乗り換えるわけです。乗り換えない人は車両を移動し始めます。右側ドアが開くときは最後尾に。左側ドアが開くときは最前部へ。稲荷町に到着する頃からゾロゾロと「民族の大移動」が始まります。結果、前か後ろかどちらかの車両がほぼ利用者なしの状態になってしまいます。賑やかな銀座線しか知らない人にとっては不気味な光景です。運航上はなんの意味もないアナウンスが実は重要なのです。


 久しく乗っていない銀座線。今では電気も消えないし窓も開かないし、音も静かになりました。しかし、僕にとって浅草暮らしを支えてくれた銀座線は特別な思いのある路線。無理矢理、用を探し出してでも乗ってみたくなりました。


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