∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

記念すべき年の三社祭

【宮入り】


 今日の夜、例年以上に賑わった浅草の三社祭のシンボル、本社神輿が無事宮入りを迎えました。
 祭の起源とされる「舟祭り」が始まって700年。大震災の影響で自粛した神輿渡御の2年ぶり復活。2㎞離れた所でそびえる東京スカイツリーを見ながらの祭。今年の三社祭は何もかもが記念すべき祭でした。


 浅草には、三社祭の氏子町会に住んでいる限り、たとえ中学校からは6年制の進学校へ進もうと計画している子供であっても、幼稚園と小学校は地元でないといけないという不問律が密かに存在しています。
 たとえ小学校であっても生徒間のつながりの基本になるのは住んでいる「町会」です。また、PTA役員の中の一人は三社祭の役員が入る。少なくとも三社祭の時は町会単位で上級生は下級生をサポートし、下級生は上級生の言うことを聞く。こんな縦社会の基本が祭を通して育てられていくのが浅草です。
 そんなDNAを埋め込まれた浅草人の真骨頂を示すことが出来るのが三社祭です。緑色の半纏を着た青年部の指示に従い、揃いの浴衣を着た役員には敬意を払う。氏子町会を引き継がれる本社神輿を無事に次の町会に引き継ぐこと、町内神輿で下町っ子の意気を見せつけること。すべて小学校の時から教え込まれた命令系統があってこそのものなのです。
 こんなことを書くと「なんと因習的な」とか「古臭い」とか言われそうですが、そういう縦社会の問題点がないのが浅草です。というのも、単に命令するだけ、甘えるだけの縦社会とは違い、ひとつのことを適切な命令と動きで成し遂げる協力体制の大切さを神輿を担ぐことを通して身につけているわけです。
 学校教育の中で教えられる協力とか協調という「お題目」的なものでは得られない「実学」がここにあるといってもいいかもしれません。


 と、浅草っ子と神輿と社会性を少しだけまとめたところで、改めて。
 記念すべき年の三社祭が滞りなく運営されたこと、心よりお祝い申し上げます。


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