∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

尖閣諸島問題の個人的整理

日清戦争以後】


 尖閣諸島の問題を自分なりに整理すべき時がきたように感じています。現在知っている事項を以下にまとめましたが、それでいいのかどうか……。


 日清戦争戦勝国になった大日本帝国は清国から台湾を割譲し、日本の支配下に置いた。第二次世界大戦で敗戦国となった日本は、日清戦争以前と同じ領土に戻すというポツダム宣言で謳われた通り、台湾を中華民国に返還した。その後、文化大革命が起こり、中華民国は現在の中華人民共和国(以下、中国)に正式継承された。
 政治史の中には尖閣諸島はどこにも出てきません。あの諸島の存在は清の古文書や、今も残っていると言われている、日本の民間企業が活動していた工場跡で判断するしかないようです。つまり戦争の賠償対象としては明記されてこなかったわけです。小さくて存在意義が認められなかったということでしょう。ちなみに、中国から移り住んだ集落などはなかったと伝えられています。あるのは島があるということを認識していたという文献だけのようです。


 日本の敗戦を勧奨し、戦後処理の大枠を決めたポツダム宣言にはアメリカ、イギリス、中華民国の3カ国が署名しています。
 アメリカは日本が中国との国交樹立を果たすことに異常なほどの不快感を抱いていました。というか、今も日本に対して大きな影響力を持つと言われているアメリカの元国務長官キッシンジャー氏は自由主義諸国の中で最も早く共産中国との国交を樹立したかったのに、当時の田中角栄首相が早々に話をまとめ国交を樹立してしまったためキッシンジャー氏のメンツを著しく傷つけたと言われています。
 1980年代以降、尖閣諸島近海は資源豊富な漁場であるだけでなく、メタンハイドレートや油田の鉱脈がある可能性が強いと言われるようになり、俄然注目度が高まり、少しでもエネルギー資源の欲しい中国は尖閣諸島が中国領であると言うようになりました。
 40年前、日中の国交が樹立される直前、当時の周恩来首相や訒小平中国共産党最高責任者は「尖閣諸島の問題は先送りしたほうがいい。まずは国交樹立だ」という趣旨の発言をしています。つまり我々の世代は先送りされた問題を解決すべき世代になったと言ってもいいでしょう。


 ロシアで行われたAPECの席上、野田首相胡錦濤主席と立ち話をした二日後に日本は尖閣諸島を日本の地権者から買い取り国有化しました。結果、領有権問題は出ないと判断していた胡錦濤主席のメンツを潰し、想像以上の怒りを買うことになったとも言われています。
 同時に中華民国と同盟国だったアメリカは「冷静な対応を……」程度の意思表示しかできないし、キッシンジャー氏も個人的なわだかまりが未だに残っているため表立ったアクションを起こせないでいる。そんなことも考慮に入れておくべきでしょう。

 こんな整理に仕方でいいでしょうか。それとも中国が持っているかもしれない“尖閣諸島は中国固有の領土”を示す文献や実効支配の痕跡ですべてが覆されるのでしょうか。
 これまでの情報だけで判断すれば、尖閣諸島が日本の領土であるというのは自明の理だとしか思えないのですが、中国の皆さん、いかがでしょうか。いくら全米の主要新聞に領有権を主張する全面広告を打ったとしても、すべては歴史が証明しているのではないでしょうか。
 強圧的に訴えるばかりでなく、第三者が証明できる歴史的事実があれば知りたいものです。


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