∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

あれから18年。あの日から2年。(その3)

情報リテラシー


 大災害が起こると必ず“うわさ”や“ウソ”“暴露”が飛び交います。阪神淡路の時はまだ携帯電話の普及率も今ほどではなかったし、なによりSNSの活用なんて想像できませんでした。インターネットのホームページで「ニュース」が流れてくる程度。東日本のようにツイッターやブログであらゆる「声」がどこにいても入って来るという状況ではありませんでした。
 18年前、現地に入ったテレビのレポーターが「ユンボが足りません。私もそれが何を指すのか良く判っていませんが、作業に当たっている方の言葉をそのまま伝えると、どんな大きさのユンボでもいいから神戸に急行してほしいとのことです」と叫んでいたことが今でも忘れられません。また、刻一刻と変わる詳細な鉄道路線状況や交通規制状況を知ることにもひと苦労。たとえば、JRしか動いていないなか、大阪から神戸に入るために鉄道を利用しようとしても、先週は西宮まで。今日は本山までと終点が徐々に神戸に近づいて行くことさえも現地に行かないと判明しませんでした。また、最大の幹線道路である国道2号線も路線規制や車両規制の影響で大渋滞。自衛隊の輸送車が片輪をグリーンベルトに乗り上げながら走って行くのを「呆気に取られながらも声援を送りつつ」見送った記憶も残っています。
 そして2年前。東日本大震災では自然の猛威やそれに対処する支援手段も、報道以外の、SNSで多くを知ることが出来るようになりました。ところが、ここで出てきたのが原発事故。ほとんどの日本人が知らなかった「原発事故で発生する放射能の恐怖」については“漠然とした報道”“流言飛語が飛び交うSNS”と情報の歪さばかりが先行して正確な情報を把握することさえ困難な状況に陥ってしまいまいた。そして、そんな状態は未だに解消されていません。


 どんな時代でも“流言飛語”は飛び交うもの。SNSが一般的になった今、そんな“雑音”をいかに抑え、迅速で正確な情報を提供するかも大災害時のテーマになりました。特に優越感を得るためや自己防衛のための流言・風説はあらゆるレベルで否定することが必定。なによりも被災して突然弱者になってしまった人たちにとってメリットになるような情報整理が、従来の常識では考えられなかったレベルで、必要になっていると言えるでしょう。
 しかも、知らされず隠されてきた事実が白日の元に出た時の情報発信で惑わされることがないような倫理観や国民に対しての使命感が不可欠ということを改めて確認しておきたいと思います。


 ※正直なところ、ここまで書いてきて物事を俯瞰的に書くことの難しさともどかしさを痛いほど感じています。本当は厳しく追及したいことばかりなんですが……。


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