∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

さて、日本ではどうなるか

【これが日本なら】


 昨日、イギリスのサッチャー元首相が亡くなりました。彼女が国内では英国病とまで言われた大不況から脱出するために剛腕を振るい、海外では領土とプライドを守るためにフォークランドで闘う命令を下したことはあまりにも有名です。
 しかし、その施策は栄光に包まれたものばかりではありませんでした。経済再生に大ナタを振るうなか、失業率が大幅に上昇して労働組合と衝突、首相を退いた後でも非難する人々が非常に多かったというのもその“暗部”の一つでしょう。
 しかし、彼女の政策が保守的な伝統の壁を打ち破るほど強力で斬新なものだったことは事実。あそこまで踏み込まないと大不況から脱出できないことを証明したワケです。


 さて、日本。政権交代後、阿部首相はアベノミクスの標語のもと、多くの経済政策を発しています。充分に根回しして選ばれた新しい日銀総裁もそんな経済政策を後押しする方策を執り始めています。
 数十年前のイギリスと今の日本。不況の程度は違うようですが、がんじがらめになってしまった不況の網の中から脱出しようとしているところは同じです。
 この流れ、マクロ経済では不況からの脱出が出来たとしても、それまでの数年間は、目の前の生活に振り回されている低所得労働者層の犠牲が必要という点でも同じではないのかと勘繰っているのは僕だけでしょうか。大企業中心に年収をアップさせたとしても、それだけで「お金が回る」ようになるのでしょうか。浮かれ気味に高額商品を買い始めた富裕層の動きが「低所得層、つまり日本を足元で支えている人たち」まで廻って来るのはいつのことになるのでしょう。輸出企業は円安である程度潤うにしても、食品関連も入る輸入企業に経営危機は訪れないのでしょうか。その輸出企業にしても、早晩、対円安政策で輸出先への卸売り価格が低下するのは自明の理です。つまり「儲かるのは一時的なもの」にはならないのでしょうか。問題の論点がずれるのを承知の上で言えば、重度の障害を持つ人たちも多く受給している生活保護費を切り下げても保護を受けている人々の生活は物価上昇に耐えられるのでしょうか。


 こんな状況のなか、安倍首相は第二のサッチャーになれるのかどうか。注視しつつ、反論すべき時には反論する姿勢を崩さないようにしようと、改めて、肝に銘じています。


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