∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

夕方の枝垂れ桜

【気になる存在】

 朝からの雨も夕方には上がり、夕陽が斜め上から差し込んできたのをみて、思わず出掛けてました。
 雨だと判っていた今日は、まる一日これまで逃げていたデスクワークを済ませようとしていたのに、晴れたとなるとそそくさと出かけるなんて。よほどあの作業から逃げたいのかと自問自答しながらも「いつでもできる」とばかり、大急ぎで外へ。

 実は二日ほど前から枝垂れ桜が数本満開になっているご近所のお寺が気になって仕方なかったんです。雨になったため満開の姿を愛でるのは諦めていたのですが、晴れたとなると「ソレ、急げ」です。
 台東区墨田区荒川区など東京の下町には、人だらけの上野公園に行かずとも、いくつか地元の人しか知らない桜ポイントが存在します。そんなポイントのひとつが今日のお目当て。なにしろお寺の境内に咲く桜だけに酔っ払って大声を出す人などいるはずもありません。ゆっくりと観せていただきました。それも枝垂れ桜の枝の下で咲き終えた花びらを踏みしめながら「青い空をバックにした桜のトンネル」を独り占めした状態で。
 気のおけない友人たちと夜桜というのもいいけれど、こうやってひとり静かに桜と対話するのは、春が振る舞ってくれる一番のごちそうだと僕は信じています。

 数年前には「桜の花を観るのも今年が最後だな」と思いつめていた僕にとって桜はなによりも特別の存在。今日も素晴らしいごちそうをいただきました。
 今年も上野公園の早咲き桜に始まって根岸の八重桜まで約一ヶ月半。下町のそこかしこで桜と対面させてもらいます。来年の今頃、自分がどうなっているかを夢に見ながら。

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