ソメイヨシノはそろそろ第二章
密かな桜探しも楽しみに
花冷えという言葉がピッタリとくる一日でした。おまけに花散らしの雨までそぼ降って。
まるで自然が「お花見お断り」と言っているようでしたが、満開の桜が見られるのはこの日曜日だけと無理をして出掛けた方にとっては楽しさが半減するようなお花見だったのではないでしょうか。
枝についた蕾が徐々に膨らんでいき、開花に期待を馳せる季節。
淡いピンクの花びらで埋め尽くされる花見の季節。
花びらが春風にのってピンクのシャワーを降らせ、地面までピンクに剃れてくれる散りバナの季節。
日一日と若葉が育っていく葉桜の季節。
いつの間にか若葉が成葉に育ち、夏の暑い陽射しを遮ってくれる季節。
そして、すべての葉が赤茶色に染まる紅葉の季節には枯れ葉が晩秋の到来を知らせてくれる。
しかも品種によって満開の時期も違います。河津桜や寒緋桜の満開が終わればソメイヨシノが。それが葉桜になれば枝垂れ桜、その次は八重桜。追いかければ、早春から梅雨前まで花見が楽しめるというオマケ付き。花の咲く樹のなかではピカ一のエンターテイナーと言っても差し支えないでしょう。
桜は一年中我々を楽しませてくれます。
「満開になるとあっという間に散っていくはかなさが日本人の精神性に訴えかける」と決めつけずに“密かな桜探し”をする。こんな楽しみ方があってもいいと思いませんか。
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[season12/0403/24:40]
『春分末候』‥雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
気分一新。心ときめかしながら桜花を追う時期
photograph:SOMEIYOSINO/ueno park, taito city
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