∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

人事の妙味

【一喜一憂の時、早まる】

 今朝のニュースショーはどの局も自民党の幹部人事と国の大臣人事の話題ばかりです。
 安倍総理大臣兼自民党総裁が今日の午前中から自民党、政府の順で人事を発表し、その後、記者会見で内容を発表する……はずだと思っていたのに、どうも違うようです。
 なんと速報まで出して閣僚の人事をスクープ。とうとう正式な発表の前にすべての閣僚が出揃ってしまったようです。

 確かにどんな組織でも人事の行方は最大の関心事。単なるうわさから確実性の高い内定まであらゆるレベルで「勝手に話が進む」ものです。しかし、ここまですべてが白日の下にされるとは。
 通常、人事権者はここまで話題がひとり歩きし始めると、怒りなり皮肉なり正論なり何らかのコメントを出すものだと思いますが、今回の場合、安部首相からは一切コメントがないようです。
 つまり、正式発表までに周知のものにしてしまって可能な限りよけいな憶測を避けようという策のようです。平たく言うと「外野からのヤジ、お断り」ということでしょう。黙っているよりもリークしたほうが物事はスムースに進むという心理学の法則どおりの展開です。

 しかし、これでいいのでしょうか。決まったことだからこれでよしと割り切ればいいのですが、誰がどうなるかという人事の妙味はすっかり薄れてしまいました。ひょっとするとこんな印象を創り出すのも安倍さんの作戦かもしれません。いや、きっとそうです。一刻も早く内定を伝えたい報道機関も利用して、内定イコール決定の空気を作り込んでいるのだと確信しています。
 上手いといえば上手い、策を弄したといえば弄した今回の人事劇、一喜一憂の時が早まっただけと割り切っておきましょうか。

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