∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

初めての遭遇──電車事故はこうして起こる

【線路に人が】

 昨日、生まれてはじめて線路に人が落ちる所を見てしまいました。
 JRのとある駅で。あと5メートルで停車するはずの電車が急にフワーンという警笛の音とともにドンという音で車体が急停車。最前部から2両目で並んでいた僕は何ごとが起こったのかと前のほうを見ました。
 何人かのお客さんが電車の直前の線路に向かって走り、まずはホームギリギリの所に落ちていた黒いバッグをホームの中ほどに動かしました。
 その直後、電車の運転手もドアを開けてホームへ。その時にはもう何人かの男性がダークスーツ姿の男性をホームに。引き上げるというよりも両手を持って引っ張り上げていたといったほうが正確かもしれません。
 ホーム上に引き上げられた男性は走って来た二人の駅員に抱えられてどこかへ連れていかれました。どうやら「ベロベロの酔っぱらい」だったようで駅員2名とその男性の3人はまるで「押しくらまんじゅう」をしているような様相でヨロヨロと退場です。
 その後、別の駅員と運転手が確認してようやく5メートル動き、やっとドアが開きました。それまで車内に閉じ込められた乗客数人と目線で会話していた僕は最後のご挨拶を。と思ったすぐ後で僕が乗り込んだため、その方たちと再会することになってしまいました。お互いになんだか居場所がないような不思議な空気が車内に漂ってしまい、電車が動き始めるまでの時間の長かったこと。なぜか、お互いに下を向いてしまいました。
 それにしても電車の直前で人がホームに落ちたところ──正確には引っ張り上げられたところですが──を見てしまうなんて初めての経験です。最悪の事故にならずに済んでよかったと思うと同時に、不謹慎ながら「なんでここで落ちるかな」とか「酔うのもほどほどにしろよ」という軽い怒りも。
 アルコールを受け付けない僕も気をつけなきゃ。安全第一、ホームの端には近づかないように。

[1502]