∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

勘弁してください

【山手線ベッド計画】

 昨日、山手線で池袋方向に向かっていた時、僕は座席で推理小説を読んでいました。隣の席では恰幅がいいというかメタボ・オヤジというか、とにかく太り過ぎの男性が眠っていました。
 ご存知のとおり、現在の山手線のシートは一列が2人掛け+3人掛け+2人掛けで、僕は中央の席に座っていましたが、隣の男性の影響で席はギュウギュウ状態。肩身の狭い体勢で文庫本を広げていたわけです。
 で、この男性。爆睡していたのでしょう。いびきが聞こえ始めたのです。それも大音響で。居眠りしている人は時折出会うけれど、これほど賑やかに寝ている人は初めて。
 とにかくうるさいんです。グオーという音とグググという音、そしてクックックと引きつるような音が入り混じった「ひとりオーケストラ」が車内を大音響に包み込んでしまったのです。
 正直言って「この人、病気かな。それとも何かの発作?」とまで心配してしまうほど。もはや推理小説どころではありません。失礼ながらご尊顔をシゲシゲと見てしまいましたが、見たところ、急病ではない様子。単に睡魔に襲われているだけと勝手に判断してしまいました。
 居眠り中の人にありがちな身体や頭を預けてくることもなく、身体はまっすぐ、頭は斜め上を向き、口をポカンと開けてグオー、グググ、クックックッ、グオー、なわけです。
 「勘弁してくれよ、なんとかならんかね、鼻をつまむと収まるかな、それとも叩き起こすかな」とか「このオヤジ、疲れてんだろうな。仕事のしすぎというよりも飲み過ぎだろうな」などと、迷惑だけど笑ってしまいそうな十数分を過ごさせてもらいました。もちろん二度と遭遇したくありませんが。
 僕が電車を降りた時もいまだに「ひとりオーケストラ状態」だった方、少しは睡眠不足が解消されたでしょうか。ちょっとだけですが、気になっています。もうお会いしたくないですが。

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