【新しくなった伊東屋を見上げながら】
午後の銀座。大通りから一本裏に入った道を歩いていたら、新しい店が出来ていました。銀座に来るのは数ヶ月ぶりという僕は「なるほど銀座も変わっていくなあ」なんて冷静に考えながら歩いていたのですが……。
よく見るとあの文房具の伊東屋の別館がリニューアルしたようでした。どうも万年筆などを扱う売場のようです。紙やリキテックスを買いに来ていた時代もあったなあと思い出に浸っていると本館の裏玄関にスーツ姿でかしこまった人たちが数人。アレッと思い、覗きこんで見ると、関係者向けのレセプションが開かれるようでした。
僕にとっては、まさに「オオッ」です。やっと伊東屋が戻ってきてくれたんです。この数年、ビルの建て替えで売場が分散していた伊東屋は僕にとっては迷宮そのものでした。工事現場近くにいるガイド役の方に何が欲しいかを伝え、売り場のあるビルを教えてもらわないとたどり着けませんでした。それがやっと本店が完成して、上から下まで楽しめるようになったわけです。
何週間かしてから行くことにします。きっとオープン直後は文房具好きというより、僕と同じような「伊東屋好き」がわんさかと集まって見たいものも見れない状態になるのでしょうから。
ところで、裏道から銀座通りに出てちょっとビックリしました。銀座5丁目の交差点を中心にして、ティファニー、ブルガリ、銀座松屋、シャネル、デビアスと壁面がガラスで構成された店舗が集まっています。ほかの交差点と比べると圧倒的に透明感が高いというか、空間が広く感じるというか。一種独特の雰囲気を醸し出しています。そして今回完成した伊東屋ビルもガラス壁面が印象的なビルです。「この交差点、ガラスの交差点じゃないか。新しく出来るカルティエのビルがどうなるか楽しみじゃワイ」なんて考えてしまいました。新しい伊東屋があるこの交差点、進化を続ける銀座の老舗だから出来る「大店の見栄」を感じ取れる交差点かもしれません。
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