∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ソースと油にうるさい関西人

【キーポイントはここにあり】

 昨日は友人からの「お好み焼き」メールを読んでひとりで盛り上がってしまいました。書き終わった後も余韻が残り、そのなかで何かを食べる時に東京人が真正面から気にしないことで関西人が声に出してまで気にすることがあったことに思い当たりました。
 まずは油の話から。粉物でも揚げ物でも、東京では油の味についてはあまり評価の対象になりません。新鮮な油かどうか、ブレンドの具合いはどうかを料理人自身が気にする程度で、食べる側から油の味がどうだったという話を聞いたことはありません。
 たとえば天ぷら屋さんで「うちは白絞油だけだとか、白絞油に胡麻油を何割ブレンドしている。いや江戸前らしく胡麻油だけだ」という声は、知ったかぶりをしたいお客さんに聞かれた時だけ料理人が小さな声で答える程度。ところが、串かつの本場大阪のように「あそこは油に気を使っている。油が旨い」とか、神戸のお好み焼き屋さんのように「あそこのカリッとした食感はラードとサラダ油を混ぜて使っているからだ」という声が聞こえてくるのは当たり前のことです。
 ソースに関しても同じ。広島なら一社独占、東京なら「秘伝のソース」というひと言で済まされるものも、関西ならブレンドの具合いや隠し味に何かを使っているかまで評価の対象として話題になります。基本的にはマヨネーズを使わず(今や過去形という影の声もありますが)自分でソースを塗るスタイルの神戸のお好み焼き屋さんには甘口、辛口、ドロの三種類のソースがあって当たり前。客自身が二種類以上のソースを重ね塗りして好みの味に仕上げるのもお好み焼きの楽しみのひとつになっています。
 ちなみに出汁の味を楽しむと言われている明石焼も、何個かを出汁につけて食べ、何個かにはほんの少しだけソースを垂らして食べるのも当たり前です。それもソースだけで食べたり、ソース付きを出汁にチョンとつけて食べたり。とにかくソースが好き、という関西人の気風が生み出したこだわりと言っても過言ではないでしょう。
 関西人が食にうるさいというのは、メイン食材以外のものまで声を出して評価したり、自ら能動的に自分だけの味を作ったりするところからも来ているのかもしれません。

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