∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

気掛かりな友人

【何もかもが難しくなってきたゾ】

 毎月1回くらいは会いましょうという気楽な気持ちで始めた友人との定例会を今月もこの日曜日に開催しました。もう6年近くおなじみにしてきたファミレスに集合。いつもどおり友人夫婦のほうが先に来ていました。聞いてみたところ待ち合わせ時間の40分ほど前に到着して、そこからドリンクバーだけで頑張っていたとのこと。実は彼、時間を把握する能力が低下してしまったため、何時に待ち合わせということが出来ないんです。いつでもどこでもこの状態なので、僕もふたりが先に来ていても焦ることはなくなりました。

 彼が無表情で食べ続ける横で僕と奥様は近況報告を。時折、彼に話を振りますが、それに応えるのはけっこう苦痛なようです。残念ながら、残り少なくなってきた彼の「外部とのつながりと自意識を合わせる」能力では「食べる」ことだけがハイライトされているようなんです。

 会も終わりに近づいた頃、奥様からショッキングな話を聞くことになりました。これまで彼は数日前までの行動や会話を記憶しておくことができる時もあったんです。忘れている場合には奥様が誘導して思い出させてあげればよかったのですが……。近頃、それが怪しくなってきたようなんです。

 彼は2日前のことを完全に忘れるようになってしまいました。

 なんとか認知症の進行を遅らせようとトレーニングし、コミュニケーションの機会を増やしてきましたが、病の進行には抗いがたいものがあるのでしょうか。早晩、症状が出るまでのことを覚えているのだけが救い、という状況になるのかもしれません。
 これまでは前月の定例会のことを忘れているくらいで、あまり会話に支障はなかったのですが、これからは、毎日のようにメールで同じことを繰り返さないと記憶してもらえないようです。
 悲しいことですが、なんとか頑張って欲しい。今彼に言えるのはこれくらいしか残されていないようです。

[2026]