この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

大雪警報発令中

【雪に閉じ込められると】

 鳥取、島根、広島。西日本の各地で大雪が降り続いています、それも数十年ぶりの振りかたで。一日で100センチほどの降雪量ってどれだけ降っているのでしょう。渦中にいる方々の辛さや怖さはいかばかりかと思ってしまいます。

 数年前、東京でも大雪が降りました。雪が一気に積もり、雪に弱い東京が完全に機能不全に陥ったのは覚えていらっしゃる方も多いことでしょう。
 実は僕、あの時、深夜の八王子バイパスで閉じ込められたんです。道路は白一色で轍らしきものがあるだけ。踏み固められた雪は波打っていましたが、スタッドレスタイヤでゆっくり走っていればなんとかなりそうな状態でした。
 有料区間が始まる北野あたりを走っていた時に渋滞が始まりジワジワと前進するようになりました。しかしそれもつかの間。完全に止まってしまったんです。夜の10時頃でした。
 どうなっているのかまったく状況が判らないまま止まっていると、長距離トラックの運転手さんたちが数人集まって話しているのを見つけたんです。つまり、彼らは運転していた車を降りて、状況確認に行った人から説明を受けていたわけです。そのなかのある人が僕のところに近づいてきて「かなり先でスリップ事故があったようなので、動くまで時間がかかりそうですよ」と教えてくれました。しかし、雪に閉じ込められたことなどなかった僕は、どうしていいものやらさっぱり判らずじっと座って動き始めるのを待ったのです。
 結果的に動き始めたのは次の日の11時頃。生まれてはじめて雪で埋まった道路上で一夜を過ごしてしまいました。
 2車線ある道路の1車線だけを除雪して動けるようにしてもらったようなのですが、その時はそんな作業員の人たちの努力なんて考える余裕なんてまったくありませんでしした。ひたすら逃げることだけを考えていたと記憶しています。

 状況も判らず、回復するまでの予想もつかないことほどの不安はないというのを実感しました。同時に雪の怖さを知らなかった自分がいかに穏やかな暮らしをしていたかも判りました。

 小さな経験ですが、雪の恐ろしさは充分に判りました。今回の西日本の大雪で車や自宅に閉じ込められている方や、想像できないような経験をされている方の心情も理解できるような気がしています。

 雪に閉じ込められ、先が見えない状況に置かれていても、いつかは動けるようになります。見えない所で誰かが助けるために動いています。行政も報道もしっかりと見つめています。挫けることなく復旧する時を待っていてください。必ずもとの生活に戻れますから。

[2296]