∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

豊作祈願の初午

【ここにもコンビニが】

 2月12日。今日は立春が過ぎた最初の午の日に当たる「初午」。「稲が成る」という言葉から生まれたと言われている稲荷神社に詣でるのが習わしになっています。
 時代とともに、豊作祈願だけでなく、商売繁盛や出世など「隆盛にまつわる」ものに願掛けの範囲は広がってきました。特に関西では商売繁盛を祈願する方が多いのではないでしょうか。
 また、人が通れるギリギリの大きさの鳥居を奉納する風習から観光目的で京都の伏見稲荷豊川稲荷をはじめとした全国の稲荷神社にはお参りする方が増えているようです。

 こんな初午のお参りにセブンイレブンファミリーマートのようなコンビニが関係してくるとは思ってもみませんでした。

 小さな小さなコンビニでタバコを買おうとしていた時、ふと横を見ると「初午いなり」というシールが貼ってあるではありませんか。「ナニコレ?」。初午にいなり寿司は付きものだけど、それがどうしてコンビニのキャンペーン商品になっているのか理解するまでに少し時間がかかりました。タバコを買った後、おにぎり類が並んでいる棚をしげしげと見つめ、ようやく判りました。なるほど「恵方巻き」の次は「初午いなり」なんですね。

 いなり寿司には関西風の俵型と関東風の三角形という区別があります。そして、稲荷神社の奉納には鳥居以外に米俵を三角形に積み上げてきたことから初午のいなり寿司は俵型と決まっていました。
 しかし、「初午いなり」と銘打ったコンビニのいなり寿司フェアでは俵形と三角形の区別はなく、いなり寿司全般をを広めようという企画のようです。
 企画としてはちょっと弱いかなと思ってしまったのですが、きっと来年は、もっと体制を整えてこの日用のスペシャル版を発表するんでしょうね。
 それにしても「節分」につづいて「初午」まで「売りのきっかけ」にするなんて、お見事としかいえません。コンビニパワーの貪欲さを見せつけられたような気がします。

 もともとは生モノを入れないお精進の太巻き寿司だった「恵方巻き」がいつの間にか海鮮太巻きになったように、日本古来の風習は食生活の変化をリードするコンビニや外食産業の思惑と、それをよしとする多くの人々によって変化し続け、食の幅は広がってきました。「へー、こんなものまであるのか」と驚きながら手に取ってしまうこともしばしばですが、本当にこれでいいのかどうか、時々疑問に思うことがあるのも事実です。皆さんはいかがお考えでしょう。

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