この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

突然の電話あり

【そうか、5年か】

 朝10時頃、知り合いの男から「突然ですが、今日いらしていただけませんか」と電話がありました。実はこの男、潰れそうになっていた不動産会社の社員だったのが、先代の社長に押し付けられて社長になったという無鉄砲なヤツです。
 いつも連絡してくる時は必ず要件を言うのに、今日に限って何も言わずに電話を切ってしまうという不穏な動きが気になりましたが、アイツの言うことだから行ってみるかとお昼過ぎに向かいました。

 そして、賃貸中心の店舗に行ってビックリ。なんだか「お祭り騒ぎ」をしていたのです。かき氷にヨーヨー釣り、抽選会、フリードリンク……。まるで「ひとり縁日」が始まったようなのです。
 様子が判らず、ちょっとドギマギしながら「どうしたの」と聞いたところ、彼は「今日で5週年なんです」とニコニコしながら話してくれました。今日のお祭り騒ぎは、社長になったのを期に引っ越した店舗が5周年を迎えたというのが表向きの理由でしたが、本当は社長就任から5年経ったのが嬉しかったんだと思っています。

 2〜3年前から、当初は2人しかいなかった社員を6人に増やしたところを見て、事業が上手く行ってるんだろうなと思ってはいましたが、内実はきっと山あり谷ありだったのでしょう。なにしろスタートがスタートでしたから。

 だからこそ、今日が嬉しかったんでしょう。誰よりも楽しんでいるようでしたから。

 仕事が終わっていなかった僕は、声が高揚してしまっている彼と「かき氷」で乾杯。5年前には時折難しそうな顔をしていた彼が、こんな笑顔で話しているなんてと感じながら「改めて来るからね」と声を掛けて帰宅しました。

 今日は「希望を捨てず努力を積み重ねれば、いつか道は開ける」ということを教えてもらったような気がしています。僕も彼を見習わなければ……。
 本当におめでとうございます。これからもお付き合いのほど、よろしくお願いします。

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