∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

住宅街のヤマカガシ

【こちらは、マムシの出る大学卒業です】

 「兵庫県伊丹市の住宅街の公園で、マムシやハブより強い猛毒を持つヤマカガシに少年が襲われた」というニュースを聞いて、いったい何が起こったのかと耳を疑いました。

 住宅街の公園に毒蛇がいたということなので誰かが飼っていたものが逃げ出したのではないか。
 噛まれた子供は大丈夫なのか。病院に血清はあったんだろうか。
 歩いて自宅まで帰ったということだが、それまでに毒は回らなかったのか。
 学校や保護者への注意喚起は迅速に行われたか。

 そんなもろもろが一気に頭の中を駆け巡ってしまったのですが、意識不明だった子供も快方に向かっているということだし、蛇自身も捕獲したようだし、公園にも注意喚起の張り紙が張り出されたようだし。なによりテレビのニュースでこれだけ報道されれば注意喚起は万全でしょう。ホッとひと安心というところです。

・・・・・

 今を遡ること40年ほど前。僕は美術系の大学で写真や映画などを勉強していました。大学の最寄り駅は中央線の高雄。東京西部にお住まいの方の中には40年前の高雄をご存知の方も少なくないでしょう。今とは違い、都会とは隔絶した山の中です。駅から学校まではバスに乗って20分程度。国有林に囲まれた場所に狭いキャンパスがあったのです

 この大学に入学した時のオリエンテーションで「校舎近辺でもマムシが出るので絶対に森の中には入らないように。特に冬眠から覚める春と、冬眠に入る初冬は注意してください。もし噛まれたらすぐに医務室に来てください。東京都より血清を預かっています」という注意があったのです。いまだに覚えているということはよほどショッキングだったのだと思いますが、入試の時に「なんだコレ?」と思っていた、いたる所に貼り出されていた「マムシに注意」という看板の意味がその時判りました。
 余談ですが、生まれてはじめて、空を飛ぶ哺乳類「ムササビ」が木から木へ飛んでいくのを見たのもこの頃です。

 この大学、冬になると体育の授業はフィールド・アーチェリーと決まっていました。なにしろむやみと手を入れられない国有林にある大学だけに山や沢ばかりなので、そこでできるスポーツとなるとこうなったのでしょう。
 その授業の前に伝えられたのが「足元はくるぶし以上まであるブーツかゴム長。弓を引く時以外は手首が完全に隠れるような手袋を付けること」という注意。特に足元はしっかりしていないと出席扱いになりませんでした。

・・・・・

 伊丹のヤマカガシ事件を聞いて大学時代のことを思い出すなんて、想像もしていませんでした。 毒蛇は思わぬ所にいるもの。ヒアリと同様、むやみに触ったり、ちょっかいを出したりしないように願うばかりです。

[2465]