【相変わらず歴博はのどかだった】
10数年ぶりに歴史民俗博物館へ。
京成電鉄で日暮里から京成佐倉まで約1時間。バスに乗り換えて約5分。そこから坂道を5分ほど登るとやっと正面入口が見えてくる。
京成電鉄も佐倉まで来るとのどかな田園風景に変わります。歴博までの道はひっきりなしに車が通る成田街道と、のどかな田園風景が混在しています。車がひっきりなしに通り過ぎる成田街道は、江戸時代には佐倉城、戦前は陸軍佐倉連隊それぞれの主要交通路だった道です。そして遠くに広がる田園風景は、きっと江戸時代から続いているものでしょう。もちろん、駅近くにはファミレスやコンビニなども何軒か。
つまり駅から歴博までの道には江戸から現代までの歴史が凝縮しているといってもいいかもしれません。
「漆」を作品としてではなく、歴史や民族学的に観られるということなので、機会があれば行ってみたいと思っていました。
12000年以上前から利用されていたということや、日本の漆がほかのアジア地域の漆とは異なるDNAを持ったものだということは初めて知りました。
中国から渡ってきたものだと信じていたのに、ベトナム(越)からも漆がもたらされていたということも初めて知りました。
原初のことだけでなく、使われ方についても知らなかったことばかりでした。漆職人さんと話すことがない限り共有できそうもない知識かもしれないけれど、ほかでは観ることのできない貴重な展示ばかりだったと思っています。
でも、静かなんです。だから、じっくり観れるんです。
東京で開催される展覧会のように「ブームだから行っておかなきゃ」的な人が少ないからかもしれません。作品ではなく歴史的な研究なので「地味過ぎる」のかもしれません。マスメディアを動員したキャンペーンをやっていないからかもしれません。とにかく静かなんです。時には後戻りしながら、思う存分納得できるまで観せてもらえました。
さすがに遠いので、出掛ける覚悟を決めるのに時間は掛かりましたが、行ってよかったと満足しています。これも僕流の夏休みが成せるワザということでしょうか。
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