【一瞬、信じそうになったじゃないか】
「今年はエイプリルフールとイースターが同じ日だから世界的にエイプリルフールは中止された」。
数日前、ツイッターでこんな書き込みを見つけて「エッ、そうなのか」と一瞬信じそうになったオッサンがここにいます。キリスト教にとってもっとも大切な宗教行事であるイースターがエイプリルフールとぶつかるなんてことがあるんだと、この時点では思ってしまったのです。
でも、どこかおかしい。聞いた所によるとエイプリルフールは、新聞、雑誌以外にはラジオしかメディアがなかった頃、英国のBBCが聴取料金の未払いを防ぐために考え出したアイデアだったはず。正式な大切な宗教行事が民間伝承に邪魔されるはずはないと感じたのですが……。
調べてみると、もともとはフランスでグレゴリオ歴を採用した年、民衆がそれまでの新年だった４月１日に「今日が新年だ」と嘘をつきながら言いふらしたという説や、４月１日の午前中だけは嘘をついても構わないというイングランドの民間伝承説など、16〜17世紀から伝わっている風習などいくつも出てきました。
どの説にしても厳格な社会制度の中で、人々が国境を越えた息抜きをして楽しんだ日でしかないじゃありませんか。
それに対してイースターは、西暦30年、磔の刑で処刑されたキリストが三日後のこの日に復活したことを祝う行事。まったく次元が違っています。そんなフェイクニュースを信じそうになった自分が恥ずかしい限りです。
実際に当日を迎えると、いたる所でウソ情報が流れていました。流しそうで流さなかった有名人はアメリカ大統領くらいと言ってもいいくらいです。
まあ、こんなもんですよね、世の中って。
ということで。現在４月１日23時過ぎ。午前中ではありません。念のために、この中に出てくる事象はすべて事実だと宣言しておきます。
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