∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

私、オッサンですが、何か?

【定義と範囲に違和感あり】

 新聞、テレビ、SNS。多くのメディアで「おっさん」という言葉が飛び交っています。

 サッカーのワールドカップでは長友選手が『おっさんの逆襲』と語り、『おっさんずラブ』というタイトルのテレビドラマが人気を呼び、インターネットメディアのNewsPicksは「さよなら、おっさん。」というキャッチコピーで広告を大々的に展開したりと「おっさん」の花盛りです。

 ですが、いつも自分のことをオッサンと言っている僕としては、どうしてもこの言葉遣いに馴染めないんです。いったい「おっさん」の定義と範囲はどうなっているのか、どんなシチュエーションで使われているのか。どうでもいいことなのに、やけに気になっています。

 少なくとも「おっさん」とは「ジジイ」というにはまだ早い初老に差し掛かった男性に対する蔑称であり愛称であるものだと思っていました。ところが、今対象にされているのはすべて30代の男性。頑張って範囲を広げても40代です。
 NewsPicksだけが「権力を握る者。意思決定層」という年齢以外の定義付けをしているようですが、それにしても年齢層は変わりません。要は、その後に続く「おっさんのおっさんによるおっさんのための社会とも言える「日本型タテ社会」に限界が来ている」という趣旨のほうに重きが置かれているように思われます。
 ちなみに、女性はどこにも出てこない状況です。

 僕のように「オッサン」を「まだジジイじゃないよ。トボけたフリをしている壮年だよ」と捉えているものは皆無といっていいでしょう。
 まあ、たしかに30〜40歳代だった頃は意思決定層の一員だったような記憶もありますが、権力者だなんて一度も思ったことはありませんでした。
 百歩譲って、今の括りを受け入れたとしても、僕のようなシニア層は社会の構成要員から外されているように感じてならないんです。社会を構成しているのは30歳台までで、それ以上はリタイア要員か、本来の意味であるベテラン(Veteran:老兵、退役軍人)。いわば、社会を構成する役務から解放された人、いや、追い出された人というようなニュアンスを陰に含んでいるように思えてならないのですが、考えすぎでしょうか。

 オバサンという言葉が持っている(と思われている)イメージと同じように「元気なオッサン、物言うオッサン、ないがしろにすると強烈なしっぺ返しを食らわす力を秘めているオッサン」がごっそりと存在しています。

 若い皆さん。そんな世代のことをないがしろにしたり阻害して「痛い目に会う」ことがないように尊厳を認めてください。「おっさん」が経験したことのないことを解決するためには「オッサン」の経験則が役に立つのですから。

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