∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

東京の人は台風の怖さを知らない

【台風襲来で思い出した言葉】

 「東京の人は台風の怖さを知らない……」。
 台風19号と20号が接近している今日、ニュースを見ていて、若かった頃に毎年台風に痛めつけられてきた人間として、宮崎出身の人間とふと交わした会話を思い出しました。

 尋常ではない雨量が予想されている今回の「アベック台風」。ニュースではその危険性を盛んに発信しています。しかし、この情報をどれだけの人たちが真摯に受け止めているのでしょう
。東京に住む人間の多くはさらりと聞き流しているのではないでしょうか。
 関西以西に住む人間にとって台風は何度も痛めつけられてきた災害です。特に防波堤、下水設備、避難場所などのインフラ整備が整っていなかった頃に台風を経験した層にとっては台風イコール自衛という発想は当然のこと。誰も助けてはくれない、自分で生き延びるしかないという潜在意識と「来るなら来い」という覚悟を持たないと、とても台風の猛威に対抗することは出来ないのです。それでも自然に打ち勝てないのが大規模災害の現実です。
 こんな潜在意識は雪害に悩まされるのが必至な雪国でも、準備の内容は違っても、同様だと思います。

 それに比べて東京は……。今日も「江東5区大規模水害ハザードマップ」という新たなハザードマップが発表されました。その被害規模は万一荒川が決壊したら5メートル以上の浸水が2週間続くというもの。とても逃げ切れるものではありません。
 しかし、ここまで危険性を指摘されても「どうしようもない」「誰かが助けてくれる」「来るわけはない」といったような諦めや依存、うぬぼれを抱く人が大半なのではないでしょうか。大型の台風が接近しても避難準備をする人はごく僅かのはず。雨戸を閉めようとする人でさえ少ないはずです。
 地震に対しての意識は高まってきましたが、それだけが自然災害ではありません。特に自衛意識は低いままなのではないでしょうか。

 地震以外の災害についても、整備が進んだインフラや自治体の対応に委ねる災害対応から脱却する姿勢を持つべき時が来たのではないでしょうか。

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