夕方5時のおねだりタイムに感じる
変わらない日常
夕方5時。キーボードに向かっていた私のところに「かあちゃん」がやってくる時間である。キーボードの上を歩き回ったり、モニターで爪を研いだりするほかの猫軍団と違い、彼女の場合はそっと近寄ってきて、こちらをじっと見つめるだけ。頭を撫でてやるとノドをゴロゴロと鳴らしはじめるが、それでもウロウロせずに座っている。
必ず5時になるとやってきて私が食餌の準備をし始めるように促し、私が動き始めた途端に爆睡中の子供や孫を起こしに行く行動こそ、彼女が軍団のボスであり続けている由縁なのかもしれない。
そして今、全員が食べ終わり、みんなで食後のトイレタイムに入っている。
ここにはコロナ禍への不安や政治への苛立ちなどはひとつもない。あるのは静かに過ぎていく“変わらない日常”だけである。
コロナ禍一辺倒の現実から隔絶されたこの時間が当たり前に感じられる時が戻ってくるのはいつのことだろう。
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