この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

=・= この冬はじめての「鍋焼きうどん」 =・=

ウーン、季節到来

 さぬき、水沢、稲庭、群馬、名古屋、山田、博多、伊勢。うどんほど産地によって個性に違いのある食べ物も珍しいのではないでしょうか。うどんそのものの食感が違うだけでなく、つゆの味や具材も千差万別。食べ方だってそれぞれです。
 個人的には「さぬきはかけ」で、「水沢と稲庭は醤油ベースのつゆ」で、「群馬のひもかわは胡麻だれ」でというようにある種偏向した好みがあります。「柔らかめの博多はあご出汁とごぼ天目当て」で食しますが、「コシが強いというよりも固すぎる名古屋と山田」と「柔らかすぎる伊勢」は積極的に食べようとは思いません。

 そんななかで江戸生れとも言われている『鍋焼きうどん』は私に冬の訪れを教えてくれる特別な存在です。もちろんオーソドックスなかつお出汁ベース。今風にカルボナーラ風やトマトスープベースで仕上げましたなどというのはお断りしています。

 今日のお昼、この冬はじめての『鍋焼きうどん』を偶然見つけた蕎麦屋で食べました。つゆは江戸風のカツオ出汁が効いたタイプ。具材は海老天、かまぼこ、ナルト、どんこ、ほうれん草、たまご巻き、そして時間が経てば半熟になってくれる生卵。大満足できるどこまでも古典的な仕立てでした。
 はじめて入ったお店なので、どんな仕立てで出てくるのか楽しみでしたが、出てきた時に「ヨシ、正解」と心のなかで叫んでしまいました。というのも、土鍋のフタが空気抜きの穴がない鍋焼きや味噌煮込みうどん用で、昔ならそのフタをとんすい(小鉢)代わりにしていたものだったんです。
 フタひとつで「蕎麦屋の矜持」とか「本物志向」と大袈裟に言うつもりはありませんが、食味の最後の砦まで真っ向勝負している点には感心しました。

 これで「昼は鍋焼き、夜は鍋物」という私の冬のごちそうが出揃いました。

=・=[season15]25:00/Nov.25 2024 小雪 =・=
〈THE LAST REAF〉
Respect to O. Henry
Takashimadaira, Itabashi City.
Photographed on Oct.25,2023