∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

私物化の弊害

【ところで、この会社は】


 製紙会社の元会長が引き起こした「借用事件」は典型的な同族経営が陥りやすい「風土が生んだ事件」
として位置づけられそうな気配になってきました。
 FXや株取引に使ったというご本人とカジノで使い果たしたと伝える報道関係者。どちらが正しいのかは、もはや問題ではないところまで来たようです。何に使ったのかではなく、いくら会社から借用し、返済できるのか、刑事責任、民事責任ともに展開が気になります。
 誰も口応えが出来ない企業風土があったために、言われるままに貸し出したというのが大金移動を生んだとというニュースも伝わってきます。つまり、企業の「私物化」の典型的な例ということでしょうか。しかし、それで済ませられることだとは思えません。大企業に求められるコンプライアンスの姿勢はどこへ行ったのでしょう。大集団だからこそ出来る「規律正しい姿勢」を見つめ直す時が来たのでしょうか。


【ところで、プロ野球では】


 先日、プロ野球のドラフト会議が行われました。今年は、ある球団の監督の甥御さんも対象者になっていたとのこと。ご本人もそのご家族も伯父の監督も当然のようにその球団以外は指名を受けないものとタカを括っていたところ、他球団も指名。抽選で他球団が交渉権を獲得しました。
 その結果、監督はうなだれ、ご家族は怒り、ご本人は涙ぐみ、交渉権を得た球団からは「混乱を起こして申し訳ない」というコメントが出されました。
 この一連の動きをみていると、ドラフトというオフィシャルな場面でもプライベートが優先するという思想がプロ野球に根付いているかのようです。言い換えれば「個人や団体による私物化」は当然ということでしょうか。しかも、報道を見ていても「出来レース」がそうでなくなった混乱と、これからの取材への影響を考慮した控えめな態度が明らかです。
 今回の件で、これまで感じていたプロ野球の体質の古さと、その球団に頼ってきた報道関係者のふがいなさを一層感じることになりました。「頼り切る」ことの危険性をもう一度見つめ直してほしいところですが、おそらく、そうもいかないところまで来ているのでしょう。


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