∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

『集団的自衛権』と『ダメよ〜ダメダメ』

新語・流行語大賞発表】

 昨日、今年の新語・流行語大賞が発表されました。今年の世相や流れを表す言葉を決める恒例行事。これがないと一年が終わらないとまで言われているのはご存知のとおりです。
 今年の大賞受賞はふたつのフレーズでした。ひとつは東京エレキテル連合の『ダメよ〜ダメダメ』。そしてもうひとつは安倍政権が閣議決定した『集団的自衛権』でした。

 『ダメよ〜ダメダメ』が受賞したのは当然だと思います。僕も候補に上がった時から応援していました。しかし、もうひとつの『集団的自衛権』の受賞に関してはとても疑問に思っています。
 憲法第九条の解釈の幅を広げるために閣議決定したこの問題は、立法の必要のない解釈変更という形で浮かび上がってきました。しかし「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違いも含め、確実に国民の理解を得たものとは思えないのです。安部首相は議論は尽くされたとおっしゃっていますが、どう考えても議論は尽くされていない問題です。少なくとも庶民レベルでは疑問や義憤が渦巻いているだけで、確固たる姿勢で認めていないはずです。繰り返しになりますが、確かに自衛権を確実なものにするためには必要だと思いますが、閣議決定したから確立したと簡単には言えない問題と考えている日本国民は非常に多いはずです。
 なにより憲法学者の皆さんをはじめとして極めて真剣にこの問題に取り組んでこられた方々にとっては「流行語にされてしまった」という空しさや憤りがあるのではないでしょうか。

 そんな言葉を選ぶなんて、ちょっと勇み足だったのではないでしょうか。まさか、今回のトップテンに選ばれた言葉の中に政治用語がこれしかなかったというような安易な選び方ではなかったとは思いますが。受賞者、つまり安部首相が受賞を辞退したため授賞式では東京エレキテル連合だけがスポットライトを浴びることになったのがせめてもの救いだったのでは。
 正直なところ、今年の新語・流行語大賞は後味の悪いものになってしまいました。残念です。

[1495]