∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

車内広告に新たな手法が

【オリジナルの魅力】


 先日から何度か、山手線の車内広告でカメラメーカーがいくつかの編成を貸し切った全面広告を見ています。通路上はカメラとそのイメージ・キャラクターが何パターンか登場するもの。ドア上のモニターはテレビCFと連動したもの。ドア横などには通路上と連動したもの。と、ここまではよくあるパターンですが、従来のものとまったく違っているのが座席の上。すべての枠にB4サイズのプリントをラミネートしたものが差し込まれています。ラミネートされているため、レーザーかインクジェットか、あるいは色校用の高精度レーザーかは定かではありませんが、いずれにしてもプリンタ用印画紙を使ったもので、製版フィルムを必要とする従来タイプの印刷物でないことは確かです。
 ちなみに、イメージ・キャラクターのポートレートはすべてモノクローム。それもシャドー部を強く出してハイライト部の効果を充分に引き出したものです。写真家やディレクターがどなたか存じ上げませんが、かなり長けた方々の仕事ということだけは判りました。


 約20年くらい前から、駅貼りやデパートの催事など、単発で少部の刷り物で済む広告には製版を必要とする印刷物を使うことがなくなり、コンピュータ出力に頼るようになっています。それが今や小さな商店の宣伝物にも利用されるようになったことはご存知のとおり。商業印刷や特殊印刷を得意とする印刷会社もそれに対応して製版作業よりも画像処理に重きを置くように変化してきたことも周知の事実でしょう。


 山手線の場合、年一回、一編成だけ座席上のスペースを利用して小学生が描いた絵と作者の名前を展示するイベントが行われています。こちらは白い台紙のセンターに絵を貼ったいたって素朴な展示方法ですが、効果は絶大。それまで区役所や公会堂などで展示され、関係者以外への訴求は計算出来なかったものとは大違いです。


 そんなオリジナルの魅力を存分に感じさせてくれたのが今回のカメラメーカーの広告でした。


「やるな、ルミックス。素敵すぎ、綾瀬はるか


 生まれてはじめて車内広告を「黙っていただこうかな」なんて思ってしまいました。ただ同時に、ひょっとするとこの手法の方が経費削減になるのかとも考えてしまいましたが。
 通勤電車を利用した広告キャンペーンに新しい手法が生まれたようです。これからは車内でキョロキョロすることが今まで以上に増えそうです。


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